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■武州製薬が挑む「内部改革」 武田の子会社買収を機に効率化追求、社外取締役招聘
武州製薬が新たな一歩を踏み出した。7月1日付で武田薬品の子会社スペラファーマ(大阪十三地区)を傘下に収め、開発から商用生産までを一貫して受託する「CDMO」として本格的な営業活動を開始した。
武州製薬は中期経営計画の最重要課題として、数年前から「開発」事業の強化を掲げていた。
今や国内CMO(Contract Manufacturing Organization=受託製造事業者)の多くが商用生産だけではなく、原薬、治験薬、製剤設計、承認申請など、いわゆる「開発」(Development)も請け負う、C"D"MOを謳っている。
だが実際のサービスの内容、水準は各社バラバラ。いかにクライアントの信頼を得て「ホンモノ」と認知されるか、勝負はこれからだ。
武州は、スペラの買収で武田のCMC部門のうち低分子の原薬、製剤設計などを担ってきた技術者(約200人)、設備、業務を一気に手中に収めた。CDMOを謳う国内の同業他社のなかでも、頭ひとつ分、突出した存在となったと言っていいだろう。
武州は14年12月に投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアが全株を取得、15年11月に、ファーストリテイリングから現代表取締役社長兼CEOの横濱潤氏、
バークレイズから上席執行役員兼事業戦略本部長の畑澤克彦氏が入って、経営体制の見直しと、M&Aを含めた新たな戦略構築に拍車がかかった。
◎きっかけは昨夏、武田から
「原薬や製剤設計などを担うCMC部門の一部を切り離して子会社(現スペラファーマ)をつくり、その後、パートナーを探して譲渡する。御社で受ける考えはないか」
武田薬品からそんな話があったのは16年夏だった。
同じ頃、武田薬品の元製剤技術研究所長(15年4月に定年退職)で、当時ニプロの顧問だった吉岡敏夫氏は、武田が研究開発体制を大きく見直すという報に接し、さまざまな企業に散らばっていた武田OBたちと
「十三(CMC部門)の従業員たちが武田に残れなくなったら我われで受け入れよう」と話し合っていた。
武州はその後、武田と話し合いを重ね、スペラの譲受、子会社化について16年12月に基本合意、17年2月に最終合意した。吉岡氏は武田から打診を受け、スペラの取締役社長への就任が決定、17年7月、スペラは武州の傘下に入った。
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