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(社説)学術会議問題 自身の戒め忘れた首相 2020年10月25日 5時00分
首相は大臣に窓口になってもらうと言い、
その井上信治・科学技術担当相は「首相の方で考えていただく」と逃げる。
日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を菅首相が拒否した問題で、
理由を明らかにするよう求める学術会議側に対し、政権は不誠実かつ無責任な態度に終始している。
従来の国会答弁に反することをしながら説明をせず、論点を学術会議のあり方にすり替え、
たらい回しで相手の疲弊を待つ。それが「国民の感覚」重視を唱える政権のやり方なのか。(中略)
6人は前内閣に批判的な発言をしたことがある。総合的、俯瞰(ふかん)的、バランスといった
聞こえのいい言葉の裏に、異論を唱える者を許さず、研究者とその集団を
政権に従順なものにしようという思惑が透けて見える。
だがそんな力ずくの手法は、まさに「反発を招き、信頼を失う」。
問題発覚後の内閣支持率の下落はその表れだ。
批判をかわそうと、政権やその支援者は学術会議の側に問題があるとの言説を流してきた。
税金を使いながらまともに活動していない、税投入は日本だけだ、
中国の国家事業に積極的に協力している―などだ。
虚偽や歪曲(わいきょく)があると指摘されると、訂正したりトーンを弱めたりしたが、
ネット上には、誤った情報をもとに会議を批判し、学者をことさらにおとしめる投稿が相次ぐ。
フェイクニュースをばらまき、人々を誤導・混乱させた罪は大きい。
あすから臨時国会が始まる。著書で、説明責任を果たすことの大切さにも
繰り返し言及している首相が、数々の疑問にどう答えるか、注目したい。
URLリンク(www.asahi.com)
> 批判をかわそうと、政権やその支援者は学術会議の側に問題があるとの言説を流してきた。
> 虚偽や歪曲(わいきょく)があると指摘されると、訂正したりトーンを弱めたりしたが、
>ネット上には、誤った情報をもとに会議を批判し、学者をことさらにおとしめる投稿が相次ぐ。
>フェイクニュースをばらまき、人々を誤導・混乱させた罪は大きい。