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ZAITEN 2019年4月号
我田引水の水道利権を漁る"国際水メジャー"の仲間たち
麻生太郎と竹中平蔵が嗤う｢水道民営化｣の罠
昨年12月、審議が尽くされることなく成立した改正水道法。「水道維持に窮する地方のため」と詭弁を弄する一方、
意気揚々と我が国に乗り込もうとしている仏ヴェオリアをはじめとする"水メジャー"は、先導役の竹中平蔵に加え、
財務相・麻生太郎との利害関係を有していた―。
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そんな中、麻生と水メジャーの意外な関係が明らかになった。欧州情報に通じる外事関係者は「麻生についての〝肝心な情報〟
が出ていない」と言い、こう続けた。
「麻生と水メジャーの関係は複雑で分かり難いが、関係があることは事実。ロスチャイルド家を介してのものだ」
どういうことなのか。
「ロスチャイルド家は日露戦争当時、巨額融資を行ったり、関東大震災では復興融資をしたりと、昔から日本との関係が深いが、
ヴェオリアの源流も同家パリ分家にある。他方、同じく水メジャーのスエズ・エンバイロメント社も、ロスチャイルド系の投資会社ＧＢＬ
（グループ・ブリュッセル・ランバート）社の系列にある企業だ」
ＧＢＬは昨年時点でもスエズ・エンバイロメント社の大株主であるＧＤＦスエズ（現エンジー）株を大量に保有していた。また、ＧＢＬの
ルーツがパリ分家にあり、現在もなお株式の保有等を通じて同家と関係していることなども確認された。外事関係者は続ける。
「水メジャーと関係の深いロスチャイルド家と麻生をつなぐ鍵は、このＧＢＬにある。ＧＢＬはラファージュ（現ラファージュホルシム、
本社＝スイス）という会社の株式を保有しているのだが、同社と麻生セメントは提携関係にある」
つまり、麻生はロスチャイルド系企業から出資を受けるなど利害関係があり、同家が経営に関わるヴェオリア、スエズの利害にも
関係しているという。他方、欧米の金融市場に通じる投資家の言は、簡にして要である。
「麻生氏とロスチャイルド家の関係は有名です」
資産運用の面でのつながりも強く、〝持ちつ持たれつ〟の間柄と業界では言われているとされる。要するに、麻生は利害があって
動いているというのである。
「麻生の利害が竹中の持論である民営化路線と結びつき、水道法改正につながった」
と総括するのは前出の官邸筋だ。
前出の厚労省の役人は一転、深刻な様子で、あるドキュメンタリー映画のことを口にした。
「米国の『フロウ』という映画を観ると、水メジャーがいかに人命を軽んじ、環境破壊を行っているかがよくわかる。作中、ヴェオリアの
元会計士のコメントも紹介されているが、『金儲けしか頭にない』と断じていた。そんな日が来ないことを願っています」