19/03/08 08:58:41.51 EpjM/LCj.net
>>38
文藝春秋 2019年2月号
移民問題の核心は「三世リスク」だ 舛添要一
URLリンク(bunshun.jp)
外国人を受け入れるには、大きなリスクと莫大な社会的コストが伴います。早くから移民を受け入れてきたヨーロッパの
国々はその後どんな道を辿ってきたのか。今回の法律を見る限り、その教訓は活かされていません。日本は、ヨーロッパと
同じ轍を踏もうとしているのです。
私は、20代~30代だった若い頃、ヨーロッパの国々で研究生活を送り、移民についても調査していました。改正入管法の
成立によって未来の日本はどうなるのかを分析してみたいと思います。
私は「もう今以上に外国人に門戸を開くべきではない」と考えています。
移民による具体的なリスクは何が考えられるでしょうか。…(略)…
それは「移民三世リスク」です。
ヨーロッパに留学していた時代、私は現地の経営者たちによくこう言われたものです。
「日本人は知恵がある。なぜなら、欧州は高度成長期に外国人労働者を入れたが、日本は産業用ロボットを開発したからだ。
ロボットと人間の違いは何かわかるか? 第一には子供を産まない。第二には労働組合を作らない。ロボットは開発コストが
かかるが、その後のコストは一切かからないだろう。移民はその逆だ」
彼らの言葉は正鵠を射ていました。それから約40年後の2010年代後半、ヨーロッパ各国でテロが頻発しました。
なぜ「三世」なのでしょうか。
それは、彼らがアイデンティティ・クライシス(自己同一性の喪失)に陥りやすいからです。一世は、とにかく金を稼ぐことが
目的なので、辛い思いをしても本国の何倍も稼げるので頑張ります。二世も親の苦労を見ているのでまだ大丈夫と言える
でしょう。
ところが、三世=孫の世代まで行くと、生まれた瞬間から「自分が移民である」実感はほぼありません。祖父母の母国の
言葉も喋れませんし、もちろん国籍は自分が生まれたヨーロッパの国。しかし「移民の子」という厳然たる事実がそこにある。
学校へ行っても白人とは皮膚の色が違う。イスラム教徒である。就職する際もそれが不利な条件となる。……こうした差別や
虐めを受けた三世は「自分は一体何なのか」「なぜこの社会にいるのか」という疑問にぶつかり、心理的な危機状態に陥って
しまう。
(続く)