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米大統領選、主要テーマに「安全保障」が浮上 イスラム国台頭とイラン核協議
GERALD F. SEIB
2015 年 3 月 24 日 12:30 JST
弁護士は、裁判で争点について論理を組み立て、自分の主張を簡潔に述べることが
重要だと分かっている。同様に、大統領選の候補者たちも争点に対する自分の考えを
簡潔に訴えることが重要だと分かっている。
候補者たちの最初の課題は、米国民の今後4年間の関心の的は何かを見いだすことだ。
クルーズ上院議員（共和、テキサス州）の出馬宣言で23日に正式に幕を開けた
2016年大統領選では、テーマは早くも変化しつつある。
「イスラム国」が急速に台頭し国際秩序に脅威を与えていることと、イラン核開発を
めぐる米欧などとの協議が合意に達する可能性が出てきたこと。この二つの要素で
国家安全保障問題の優先順位が上がった。これが共和・民主両党の政治的な計算を
混乱させている。
とはいえ、2016年の大統領選のテーマとして外交政策が経済問題より重要になると
いうことではない。外交が二の次にはならないという程の意味合いだ。最大のテーマは
依然として、中間層に広がっている閉塞感である。米経済はマクロレベルでは改善して
いるが、ミクロレベルでは多くの家計がそれに見合うだけの賃上げや雇用の保障を
得ていないと感じており、経済に対する信頼感を抱けないでいる。
だが、国内経済への不安感は世界の安全保障への不安感と共存する形になりそうだ。
オバマ大統領の1期目と2期目の大統領選で参謀を務めたデービッド・アクセルロッド氏は
その二つを一緒にして「安全が争点になることは明らかだ」と話す。
同氏は国内面については、「米国民は経済について良くなっていると思っているが、
長期的な経済の安定に不安感を抱いている。どうすれば一生懸命働ければ報いられ、
誰もが豊かになれるのかが大統領選の中心テーマになるだろう」と指摘する。