15/02/13 21:57:16.61 /geo1+1N.net
東京新聞 2015年2月13日 朝刊
首相、ピケティ氏意識 格差是正へ「再分配」より「機会の平等」
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
安倍晋三首相は12日に行った施政方針演説で、自らの経済政策「アベノミクス」を批判して富の再分配を訴えるパリ経済学校
のトマ・ピケティ教授を意識して、再分配より機会の平等を重視する社会づくりを前面に出して訴えた。 (後藤孝好)
ピケティ氏は、格差問題を掘り下げた著書「21世紀の資本」で注目される。一月末の本紙インタビューでは、大企業や富裕層を
潤わせて中小企業や低所得者に波及させるアベノミクスの考え方に関し「実現した例は過去にない」と批判。富裕層への資産課
税を強化し、資産を持たない若い世代への再分配を通じ、格差を是正するよう提唱した。
首相は演説で、難病患者への医療費助成拡大など、再分配政策である社会保障への目配りにも言及した。
しかし、昨年末の衆院選勝利を受け「この道をさらに前進せよが国民の意思」と指摘。同時に「三本の矢の経済政策は確実に成
果を挙げている」とアベノミクス効果を自賛し、法人税減税や増え続ける介護費用の抑制といった再分配に逆行する政策も訴えた。
加えて首相が強調したのは均等な教育機会の確保を目指す政策。首相は「子どもの未来が家庭の経済事情に左右されてはい
けない」と、低所得世帯の幼児教育の負担軽減、フリースクールへの支援拡充などを訴えた。演説全体で「チャンス」という言葉も
六回使った。
演説に関し、首相側近の世耕弘成官房副長官は「行き過ぎた再分配は社会の活力を奪う、というのが首相の考え方。誰もが頑
張れば報われる社会をつくる決意を演説に書き込んだ」と解説する。富の再分配によって格差是正を目指すより、機会の平等を
訴えることに主眼を置いたという。
首相はピケティ氏の考えに対し、一月の衆院予算委員会でも「分配だけを考えればじり貧になる」と反論している。施政方針演
説では、ピケティ氏の名前や主張には言及しなかったが、その考えにはくみしない立場を明確にしたといえる。