16/02/14 22:34:32.36 D9h94zHw.net
>>261 《続き》
最近つらつら顧みて思うことがある。私は本誌「正論」も含む日本の保守言論界は、安倍首相にさんざん利用されっぱなしで
きているのではないか、という認識を次第に強く持ち始めている。・・・(略)・・・
時事通信は今年1月2日、次の記事を配信した。
「首相は河野談話への不安をかつて公言し、実際に検証にも取り組んだ。そんな首相だからこそ慰安婦問題の決着は自分しか
できないとの自負があったようだ。他の政権では保守派の反発を抑えられないと見ているからだ。首相周辺は『安倍さんで
おわびをするから価値がある』と解説した。」
この「他の政権では保守派の反発は抑えられない」「安倍さんだからできる」という言葉は暗示的で、端なくも私がかねて
繰り返してきた懸念を裏書きしている。日本の名誉を守る戦い、保守の運動をつぶすのは、最も保守的な政治家だ、ということ
である。左翼的な首相には、保守は懸命に対抗する。しかし安倍総理に対する期待があまりにも大きくて、安倍総理は滅多な
ことでは間違いを犯さない、と信じている。保守派の期待を裏切るような政策をかりにしても、大局的な見地から判断した結果
であると忖度して批判を控える。その結果、ずるずるずると、保守運動は後退していくのである。かつてそうであったが、今また
同じことが起こりだしている。
日本の名誉回復のための取り組みは結局、息の根を止められるという結果になりかねない。これは第一次安倍政権下で、
拉致被害者救出運動が急速に勢いを失ったのをみていて、私が実感したことである。・・・(略)・・・
保守勢力から守られているから、自分は思い切ったことができるという自己認識が安倍総理、またはその周辺にあることが
怖いのである。
・・・(略)・・・
私は後継者がいない、という言葉を聞かされるたびに、苦り切ってしまう。・・・(略)・・・首相の立場をおもんぱかるのは
官房長官や政権・与党幹部たちの仕事であって、あるいは自民党の仕事であって、少なくとも私の課題ではない。
私はそれを声を大にして言いたい。後継者がいるかいないかは分からない。いないかもしれない。しかしいるかもしれない
ではないか。安倍総理の後継者として突如、素晴らしい人材が出てくる可能性だって否定できない。そもそも「誰もいない」
といって現在の最高権力者を庇ってばかりいては、後継者だって育たない。彼が出てくる芽をつぶしてしまうことになる。
これは一種の自由に対する抑圧である、ということになぜ気付かないのか。
安倍政権がいま倒れたら日本はめちゃめちゃになると保守言論界は心配している。私はそれは、PTAの心配だと申し上げ
たい。「かわいい安倍さん」に対する保護者の心配なのである。そんなのは総理に対する無礼でもある。
・・・(略)・・・
後継者がいないまま安倍総理が退いて日本が混乱するのを「悪」としよう。逆に、よき後継者がいないので、安倍総理に