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>>28-30
「移民」は介護から?
外国人労働者拡大、静かに模索 技能実習見直し焦点
2014/2/5付 日本経済新聞 朝刊
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安倍政権は1月にまとめた成長戦略の検討方針に「外国人受け入れ環境の整備」と明記した。
「移民」や「単純労働者」と言い出せば国論を二分しかねない問題。そこで政府は、受け入れの対象を
低・中レベルの技能労働者までじわりと広げるステルス(見えにくい)作戦を進めようとしている。
外国人労働者が6月にまとめる成長戦略の焦点に浮かんできた。
保守系の政治家には外国人嫌いもいるが、安倍晋三首相は違うようにみえる。議事要旨からは削除
されたものの、首相は最近の経済財政諮問会議で「移民というとたいへんな議論になってしまうが、
外国人材は重要」という趣旨の発言をした、と関係者は明かす。
政府はなぜ、いま外国人労働者の受け入れを拡大しようとしているのか。首相官邸の政策会議に
参加する民間議員はいう。「日本が総人口減少にどんな手を打つかに、外国人投資家の関心が極めて
高いからだ」
第1弾は建設労働者だ。
(中略)
「4万~5万人の外国人労働者は必要」と国土交通省幹部はそろばんをはじく。技能実習制度で
中国やベトナムなどからきた建設労働者は年1万5千人程度いるが、建設に絞った特例は難しい。
そこでウルトラCとなるのが「特定活動」という在留資格を使う案だ。法改正はいらず、法相告示だけで
在留資格を与える外国人を加えられる。
次は介護だ。今は技能実習制度の対象外だが、昨年10~11月の産業競争力会議雇用・人材分科会
で民間議員から「介護を加える必要がある」(武田薬品工業の長谷川閑史社長)といった声が続出した。
6月をメドに政府が打ち出す技能実習制度見直しの焦点となる。
日本は経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアとフィリピンの介護福祉士候補を累計で1000人以上
受け入れている。介護の実習生を認めれば、介護福祉士候補より技能の低い人材が大量に来る可能性
がある。しかも高齢化で日本の介護現場での人材不足はかなり先まで続く。「事実上の移民が介護から
始まる」といわれる理由だ。
(後略)
《外国人投資家の関心が極めて高いからだ》