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全農産品で関税撤廃の恐れ TPP協定案を弁護士ら分析
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
交渉参加国による署名式を四日に控える環太平洋連携協定(TPP)を
めぐり、国を相手に違憲訴訟中の弁護士らが協定案の英文を分析し、
すべての農産品の関税が長期的に撤廃される恐れがあるとの結果をまとめた。
他の経済協定にある関税撤廃の除外規定が、聖域と位置付けたコメなどの
「重要五項目」も含め、ないことを指摘。聖域確保に関する条文上の担保が
なく、将来的に「関税撤廃に進んでいく」と懸念している。
分析したのは「TPP交渉差し止め・違憲訴訟の会」の幹事長を務める
弁護士の山田正彦元農相、内田聖子・アジア太平洋資料センター事務局長、
東山寛北海道大准教授ら十人余りのチーム。
協定案の本文では農産品の関税に関し、参加国に別段の定めがある場合
を除き「自国の表に従って、漸進的に関税を撤廃する」(第二・四条の二項)と
明記している。日豪の経済連携協定(EPA)など他の経済協定では、同様の
条文で「撤廃または引き下げ」と表現する。TPPは規定上は引き下げの選択
肢を除いている。
それでも関税が維持された日本のコメや牛肉などの重要五項目の扱いは、
付属文書の記載が根拠になっている。
だが付属文書でも、TPPと日豪EPAなどの経済協定には違いがある。日豪
EPAなどには「除外規定」が設けられ、コメは関税撤廃の対象外。TPPには
除外規定はなく、逆に発効七年後に米、豪などの求めがあれば、日本のす
べての関税に関し再協議する規定がある。
外務省も協定案に関税の除外規定がないことを認める。一方で「関税引き
下げにとどまっている品目は事実上、除外を勝ち取ったと解釈している。再協議
でも撤廃が義務付けられているわけではない」(経済連携課)と強調する。
分析チームは、協定案の条文から重要五項目も再協議で撤廃を前提に協議
され、「長期的に関税が撤廃されていく仕組みになっている」と指摘している。