14/02/20 14:55:59.26
大雪の影響で十四日夜から孤立状態となった横瀬町の芦ケ久保(あしがくぼ)地区。山あいの小さな民宿の経営者夫婦と宿泊客
二人は十六日、近くで雪に埋まっていたブルドーザーを掘り起こして動かし、約三百メートル離れた国道までの道を除雪した。
雪崩の危険におびえながら少しずつかき分け、国道にたどりついたのは十一時間後だった。
芦ケ久保地区にある民宿「自然郷東沢」。経営者の赤岩博明さん(48)と妻泰代(やすよ)さん(42)は十五日朝、前日から一転した
光景に目を丸くした。宿の周りは、一メートル以上の雪で覆い尽くされていた。
赤岩さん夫妻は、帰宅できなくなった宿泊客の男性二人と敷地の除雪を始めた。だが夕方に裏山の雪が崩れ、民宿に迫ってきた。
「いつまでこんな状態が続くのか」。食料も長くはもたない。不安が募っていった。
「国道299号に出れば、身動きが取れるかもしれない」。民宿の近くで、ブルドーザーが雪に埋もれていた。知人が水道工事用に
使っていたが、「生きるためには、自分たちで動かして道を除雪するしかない」。
◇
十六日朝。知人に断りを入れた後、約三時間をかけてブルドーザーを掘り起こした。付けっぱなしの鍵でエンジンをかけ、宿泊客の
うち一人が運転を開始。ほかの三人は歩いて後に続いた。
ブルドーザーで掘った雪の塊を両脇に捨てながら前進。雪崩が起きた跡に差しかかると斜面から流れてきた雪に車体を押され、
横転しそうにもなった。国道にたどり着いたのは約八時間後。だが国道も除雪されておらず、すっぽりと雪に覆われていた。疲労と
絶望感でいっぱいのまま、歩いて民宿に戻った。
◇
国道299号は翌十七日夕、車一台が通れるほどの幅が除雪された。宿泊客の二人は車で帰宅し、夫妻は子ども三人とともに民宿に
残った。十八日朝、赤岩さんたちは車で片道一時間をかけて、飯能市に食料の買い出しに出掛けた。国道の除雪はまだ不完全で、
帰りにタイヤがパンクした。芦ケ久保地区の国道299号の通行止めが解除されたのは、この日の夜だった。
国道が通れるようになっても、そこへたどり着くまでの道が雪で埋もれたままだったら、赤岩さん一家の孤立状態は今も続いていた。
泰代さんは「こんな大雪は生まれて初めての経験で、除雪は命懸けだった。ブルドーザーがなかったらと思うと、今でも身震いがする」
と振り返った。
ソース(東京新聞) URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
写真=日が暮れても、国道を目指して雪をかき分けながら進むブルドーザー=16日 (写真は赤岩泰代さん提供)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)