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中部電力(名古屋市)が浜岡原発3、4号機の増設同意を、立地する旧浜岡町(現御前崎市)から得た一九八〇年代、公にした
寄付金三十六億円とは別に公にしない五十三億円を支払う約束を町と結んでいた。町が秘密扱いにしていた文書を中日新聞が
入手した。当時の町長は「金額を大きく見せたくなかった」と話し、「寄付金」とは別の「分担金及び負担金」の項目で会計処理して
いたと説明した。
写真=浜岡原発3、4号機の増設同意に伴う「確認書」と「覚書」
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中電と町は3、4号機の増設同意時に「協定書」を交わし、3号機の一九八二(昭和五十七)年八月に十八億七千二百万円、4号機の
八六年四月に十八億円の寄付金(協定書上の表記は協力費)を中電が町に支払うと公表していた。
本紙が入手したのは、御前崎市教委が保管している旧浜岡町の「原発関係文書」で、七〇~八七年度の中電との金銭授受を示す
文書が含まれている。その中に協定書とは別に「確認書」「覚書」と称する存在を公にしない文書があった。
3号機の協定書を交わした八二年八月の同じ日に、協定書に定めた寄付金に加算して二十九億二千八百万円を支払う確認書が
交わされた。
この確認書には、町の地域医療の整備事業計画が具体化した時点で「別途町からの要請に基づき応分の協力措置をとる」との記述
がある。八四年十二月に地域医療整備への協力を名目に十七億円の寄付の覚書を交わしており、確認書の記述に従ったとみられる。
4号機でも協定書を交わした八六年四月の同じ日に六億八千百万円の確認書と十七億円の覚書を交わした。
町長を七五年から三期十二年務め、協定書や確認書、覚書に調印した鴨川義郎さん(86)は非公表について「中電側の意向だった。
隣接自治体の嫉妬があり、派手に見せたくなかった。密約と言われるならばそうかもしれない」と話した。
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確認書などに沿って実際に支払われた金額は「覚えていない」と話したが、数年に分けて「分担金及び負担金」の項目に振り分け、
寄付金を少なく見せたと認めた。
当時の町の決算書によると、確認書や覚書を交わした年から数年間は、分担金及び負担金の額が数億円だったものが十数億円に
増えている。御前崎市は「寄付を隠したかは分からない。本来負担金は条例に基づくものだが、該当する条例は見当たらず、その点では
不備があったかもしれない」と説明する。
文書の中には、町収入役が発行した中電社長あての領収書の写しもあった。
●中部電力本店広報部の話 地域との共存共栄や発電所の安定的な運営のために必要と判断すれば、要請に基づいて協力金を
出すことはあるが、相手のあることであり、個別具体的な内容については回答を差し控える。
◆分担・負担金で処理「不適切」
旧浜岡町(現御前崎市)が中部電力からの寄付金を決算の歳入で振り分けた「分担金及び負担金」は、自治体の事業の一部を
受益者が負担する制度で、通常は保育料や住民から徴収した下水道整備費の一部などが入る。
地方自治法は分担金について、「(事業で)特に利益を受ける者からその受益の限度において分担金を徴収することができる」と
定めている。事業ごとに個別の法や条例に基づいて徴収する。分担金と負担金に明確な区別はない。
名城大都市情報学部の昇秀樹教授(地方自治法)は「分担金負担金に全く性質の違う企業の寄付金を入れることは極めて不適当だ。
違法とされてもおかしくない」と指摘。寄付を非公表とした点には「自治体に公表する義務はなく違法とはいえない。ただ民主的な行政を
目的とする地方自治法の精神から見て好ましくない。公表しなかった寄付は、増設受け入れの判断に影響したと考えられる金額で、
本来は主権者である住民に明らかにすべきだ」と批判した。
ソース(中日新聞) URLリンク(www.chunichi.co.jp)