13/09/19 16:24:10.85
★汚染水漏れのタンク「ふざけてるとしか思えない仕様」
五輪招致に沸く日本だが、だからこそいよいよ無視できないのが、福島第一原発の汚染水流出問題。
東電のコストカットが原因の一端となっているこの問題に対し、国費が投入されることが決まった。
しかし現場からは「ふざけてるとしか思えない」「当たり前のことができていない」と、いまだ怒りの声があがっている。
いま起きている汚染水問題には、2種類ある。
一つは、福島第一原発に流れ込む地下水が、地中に漏れ出している汚染水と混じり、海へ流出している問題。
資源エネルギー庁の試算では、1日300トンにのぼる。
もう一つが、8月19日になって発覚した、敷地内のタンクから300トンの汚染水が漏れていた問題だ。
タンクは、鋼材をボルトでつなぎ合わせただけの「フランジ型」という簡易なもので、約1週間で製造できる。
耐用年数は約5年で、敷地内に約1千基あるタンクのうち、約350基がこのタイプだ。
「普通のタンクは、船を造るように、それぞれの部品を溶接するものです。
しかし、フランジ型タンクは、部品をクレーンで吊(つ)り上げ、
あとは鳶職人たちがボルトを締め付ければ出来上がりという、ふざけているとしか思えない仕様。
いつか漏れるだろうと思っていました」
と指摘するのは、福島第一原発の協力企業社員として収束工事にかかわるT氏である。
今回の政府の対策では、遮水壁に国費を投入するが、タンクについては「溶接型」に変えることを示しただけだ。
「そもそもタンクに水位計がついていれば、汚染水漏れはすぐにわかる。
そんな当たり前のことさえできていないのが問題なんです。
このまま仮設タンクを何年も使い続けるようでは、トラブルはまた起きるでしょう」
東電はこれまで、10人ほどで約1千基のタンクを見回っていたが、汚染水漏れが発覚して60人に増やすことを決めた。
すると、新たに4カ所で高い放射線が検出され、最大毎時約1800ミリシーベルトが測定された。
人が4時間ほど浴びると死亡する線量だ。この調子でいくと、まだ発見されていない漏れが次々と見つかりそうだ。
「正直、パトロールといっても人数は少なかったし、周辺の放射線量も高いから、適当なものでした。
しかも、タンク周辺は雨が降ると水たまりができて、何が漏水なのか判別がつかない。
今回の問題でゼネコンやタンクの製造元、パトロールの下請けまでこっぴどく叱られました。
でも、これも、そもそもコストカットで人数を削った末の惨事。
いまや猛暑の中、見回りが倍増して現場は悲鳴を上げています」(東電関係者)
しかも今後、国費が投じられたとしても、すぐにもろもろの問題が解決するわけではない。元作業員K氏がこう語るのだ。
「コストカットの弊害が是正されても、きちんと施工できる人がいなければ何も変わりません。
たとえば、継ぎ目を固定するボルトは、ただ締めれば良いものではなく、締める順番や力のかけ方が決まっている。
しかし、人手不足で技術のない作業員もたくさん交じっているので、手順が徹底されず雑な工事になっています。
今後、急いで工事を進めたら、ますますトラブルが増えるのは目に見えている」
※AERA 2013年9月16日号 URLリンク(dot.asahi.com)