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東京電力福島第一原発事故で全村避難が続く福島県飯舘村の人々に密着したドキュメンタリー映画「わすれない ふくしま」
が三月二日から、東京都写真美術館(目黒区)で公開される。事故さえ起きなければ、変わることはなかった生活。故郷や家族
を奪われた理不尽さに直面する被災者の日常を伝える。
原発から約四十キロの飯舘村。山あいに住んでいた家族を中心に映画は進む。建設作業員の男性はフィリピン人の妻と
三人の子ども、母親との六人暮らし。震災から二カ月後、隣接する川俣町に避難するが、慣れない環境での生活に疲労と
ストレスが蓄積していく。妻は母国に帰りたいと不満を募らせ、母親は体調を崩した。「街は苦手。動物の声が聞こえる静かな
ところに住みたい」。長女はカメラの前でそう話した。
撮影したのは、仙台市出身の映画監督四ノ宮浩さん(54)=八王子市。フィリピンの貧しい子どもたちを追ったドキュメンタリー
「忘れられた子供たち」(一九九五年)や「神の子たち」(二〇〇一年)が、国内外で高い評価を受けている。
宮城、岩手の被災地を撮影して回っていた四ノ宮さんが飯舘村に入ったのは一一年四月下旬。放射能汚染で全村避難指示
が出ていた村は人が少なく、作付けや出荷が制限された農家や酪農家が風評被害にも悩まされていた。隣接する相馬市では、
酪農家菅野重清さん=当時(54)=が原発事故から三カ月後、借金を抱えて将来を悲観、堆肥小屋の壁に「原発さえなければ」
と書き残し、自殺した。
「仕事や大切な故郷を根こそぎ奪い、人々を病気や死に追いやるものは絶対にいらない」。原動力は怒りだった。四ノ宮さんは
四カ月間、福島に滞在後、昨年十二月まで何度も福島に通い続けた。
昨年一月には建設作業員の男性が仕事中の事故で半身不随に。男性に撮影を拒否された経過も映画に盛り込んだ。福島県
伊達市で暮らす自殺した酪農家の妻でフィリピン人のバネッサさん(34)と息子二人の姿も追った。バネッサさんら家族は東電の
責任を追及するため、約一億一千万円の損害賠償を求める訴訟を起こす予定だ。
四ノ宮さんは「福島で何が起きているのかを見てほしい。一人一人に何ができるか。考えるきっかけになってくれれば」と話す。
映画は名古屋のシネマスコーレ(中村区)でも三月九日から公開。福島の子どもたちを放射能の影響がない地域に避難させる
計画も進め、資金を募る。問い合わせは、オフィスフォーへ。
(※問い合わせ先省略。ソース元でご確認下さい)
ソース(東京新聞) URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
わすれない ふくしま
URLリンク(wasurenai-fukushima.com)
URLリンク(wasurenai-fukushima.com)
映画「わすれない ふくしま」予告編1
URLリンク(www.youtube.com)