13/02/07 01:10:54.56
米外交の「顔」が変わった。退任したヒラリー・クリントン前国務長官(65)は、次の大統領選に出るかと米テレビに聞かれ、
「あすや来年のことは予測できない」とけむに巻いたが、疲れきった様子が少々気になる。できるなら心身ともにリフレッシュして
出馬し、「女性は大統領になれない」という米国の「ガラスの天井」を破ってほしい。
クリントンさんが大統領夫人だった時から、すごい人だなあと思ってきたが、オバマ大統領が言うように「最上の国務長官の
一人」だったとは断定しがたい。というより経済重視のオバマ政権の外交は、シリア内戦にしろ北朝鮮問題にしろ「対応しそうで
しない」、いわば不作為と不決断の間を逍遥(しょうよう)するので、国務長官の腕の見せ場がないはずなのだ。
しかも米外交の重点は国務長官から大統領へと移り、特に中東和平では国務長官の存在感が、危険なほど薄れている。
「忍者外交」で知られた70年代のH・キッシンジャー氏、90年代に歴史的な中東和平会議を開いた剛腕のJ・ベーカー氏の
ような国務長官は、もう出にくいだろう。時代の流れである。
ただ、尖閣問題をめぐるクリントンさんの対応は際立っていた。2010年には尖閣に日米安保条約が適用されることを明言し、
岸田文雄外相との会談(1月18日)では、中国側の度重なる領海・領空侵犯に対して「日本の施政権を侵すあらゆる一方的な
行動に反対する」とクギを刺した。この辺が真骨頂だろう。理性的に筋を通す姿勢に感心する。
一連のクリントン発言がなければ中国はより厚かましく強圧的だったかもしれない。願わくはケリー新長官の外交で中国が
悔い改めるように。海軍のレーダー照射など正気の沙汰ではない。
ソース(毎日新聞、「発信箱」 論説室・布施広氏)
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