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「GHノミクス」とは朴槿恵次期大統領の経済哲学を指す。「GH」は「槿」と「恵」の頭文字だ。李志勲経済部長はさりげない
形だがそれに懸念を表明した。
・400ページに及ぶ朴槿恵次期大統領の公約集にはマクロ経済に関する内容―経済成長率や物価などの目標値がほとんどない。
・アベノミクスによりウォンは対円で10%も切り上がったというのに、大統領職引き継ぎ委員会の関心対象ではないようだ。
普通の日本人は「為替レートに関心がなかろうが、公約集になかろうが、問題の水準までウォンが上がれば政府が何とかする
だろう。あれほどうるさい国民を抱えているのだから」と奇異に感じるかもしれない。
■ウォン安政策で恨みをかった李明博大統領
実は韓国社会には素直にウォン安に向け動きにくい情緒がある。李明博大統領は前任者とうって変わって露骨なウォン安政策を
実施した。輸出ドライブをかけて成長を加速するとともに、貿易収支の黒字により外貨準備を積み上げて通貨危機を防ぐ―
目的だった。
しかし、前者に関して結果は出なかった。大企業は輸出を増やし利益も上げたが、国全体の成長率は伸び悩んだ。韓国では
「大企業が工場を海外に移したため、儲けたカネを国内の消費や投資に使わず、その結果内需不振に陥った」と理解されている。
さらには「投資や消費の不振で内需依存型が多い中小・零細企業の経営が苦しくなった」との批判も高まった。
このため、多くの韓国人が「財閥を儲けさせただけではないか」と李明博大統領や保守政党に反感を抱いた。昨年末の選挙で
左派候補が48%もの票を得た大きな原因でもある。
■財閥より国民の故・朴正煕大統領
保守系紙が「円安による被害」を毎日、訴える一方、左翼紙のハンギョレ新聞が「円安・ウォン高は韓国にとってマイナスだけ
ではない。物価が安くなるし、日本円でカネを借りていた企業や個人は返済が楽になるなどのプラスもある」(1月13日付)と
書いたのも韓国に満ちる「反財閥・反保守の空気」を反映する。
朴槿恵次期大統領はもちろん左翼ではない。ただ、こうした空気の中で前任者と同様の「ウォン安政策」は採りにくい。故・朴正煕
大統領は貧困を追放するため韓国全体の経済成長に心を砕いた。財閥を上手に使ったが、後任者のように財閥に取り込まれる
ことはなかった。財閥を「取りつぶした」ことさえあった。
朴槿恵次期大統領は「故・朴正煕大統領の生物学的な娘というだけではなく、政治的な意味でも娘」と韓国では言われている。
今、韓国財閥は首をすくめて彼女の言動を見守る。
李志勲部長も、今の韓国の空気と彼女の性向を意識して説得に努めようとしたのだろう。以下のようにも書いている。
・一般的な認識とは異なり、輸出企業の中で大企業より中小企業の方が為替変動の影響を受けやすいという分析もある。
ブランドと品質競争力が弱く、海外生産比率が低いため防衛力が乏しいからだ。
・為替政策というと、しばしば、李明博政権のウォン安政策を連想しマイナスのイメージを持ちやすい。しかし、最近の為替問題は
韓国の意志とは関係なく日本政府によって引き起こされた点で当時と異なる。
■日本包囲網をつくろう
李志勲部長の記事でもう1つ興味深いのは、日本包囲網の呼びかけだ。
・世界同時不況以前と比べ、まだ(対ドルでも)ウォン安の水準にある。しかし、最近の為替変動のペースが速すぎることには
警戒すべきだ。
・日本にアベノミクスをやめさせねばならない。だが、欧米も自ら金融の量的緩和政策を実施してきたし、中国も為替操作国と見られ
ていて日本に注文はつけにくい。2月のG20財務相会議で日本に対し世界が共同でメッセージを送ることに外交努力を注ぐべきだ。
中国同様に韓国も為替操作国と見なされている。「リーマンショック後に対ドルで切り下がったアジアでは珍しい通貨」とも言わ
れるなど、その主犯格だ。自分は表には出られないため、裏で反日包囲網を煽ることにしたのだろう。
>>3あたりに続く