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大阪市の橋下徹市長が市政改革の重要課題に位置付ける市営地下鉄の民営化をめぐり、2月開会の定例市議会で初めて
「3分の2の壁」に挑む。提出予定の地下鉄事業撤退に絡む条例廃止案は、市として特に重要な施設の在り方にかかわる事項
として市議会(定数86)の3分の2以上(58人以上)の賛成が必要だが、現時点では獲得のめどは立っていない。市長は正面
突破を目指すが、市政改革の柱が頓挫すれば求心力低下は免れず、市政運営の正念場となりそうだ。
「自民党の協力がないとできない。民営化を人質に取られている」。今月11日に開かれた、来年度予算にかかわる意見交換会。
橋下市長は自民市議を前に本音を吐露し、民営化実現への賛同を求める一方、自民が求める政策の実現に歩み寄る姿勢を
みせた。
地下鉄民営化をめぐり、昨年12月に市交通局がまとめた素案では、今年3月までに市議会で事業撤退に関わる議決を得た
上で準備を進め、平成27年4月に新会社に移行するとしている。ただ、地方自治法や市条例の規定から、議決には3分の2以上
の賛成が必要だ。
大阪市議会で最大会派の市長与党、大阪維新の会は33議席。橋下市長はこれまで教育関連条例や職員基本条例などの
重要議案で、第2会派の公明党(19議席)などの協力を取り付け、過半数を得て成立させてきたが、今回は両会派を合わせても
6議席足りない。成立には自民党(17議席)などの協力が不可欠となる。
だが、橋下市政に批判的な自民は、否定的な見解を示す。市議団の荒木幹男幹事長は「地下鉄は多額の費用を投入して
整備してきた市の財産。民営化で市民が今より利益を享受できることを説明できなければ、賛成はできない」と述べ、時期尚早
との立場だ。
さらに、今回は公明にも慎重意見がある。所属市議の一人は「80年の歴史がある地下鉄を、数カ月の議論ですぐに民営化は
できない」と話す。
ただ、公明は橋下市政への協力を前提に、衆院選で維新の選挙協力を得た。自民にも、平松邦夫前市長が当時の現職を
破った平成19年の市長選で、地下鉄民営化を公約に掲げた現職を推した経緯がある。
市議会内には、議案の否決で、橋下市長が強硬手段に打って出ることへの警戒感も漂う。維新市議団幹部は「民営化は市長
の公約の柱。進まなければ住民を巻き込んでリコール運動を行うことになるだろう」と牽制(けんせい)。他党には「賛成を引き出す
ための揺さぶりだ」という見方が強いが、自民市議団幹部は「今夏の参院選を前に、市長が主導する可能性もある」と懸念する。
市議にとっても難しい判断を迫る今回の議案。市長と野党会派の対立激化の可能性もはらみながら、双方の綱引きが激化
しそうだ。
■大阪市営地下鉄
昭和8年5月、御堂筋線の梅田-心斎橋間で開業。現在は新交通システム「ニュートラム」を含めて9路線、総営業キロ数は
137・8キロで、全国の公営地下鉄で最大級の事業規模。平成22年度に累積赤字を解消。23年度の利用者数は約230万人
だが、人口減少の影響などから今後毎年1%ずつ減る見通しで、10年後には140億円の減収になると試算されている。
ソース(MSN産経ニュース) URLリンク(sankei.jp.msn.com)
図表=大阪市営地下鉄の乗客数の推移(1日平均)と営業キロ数
URLリンク(sankei.jp.msn.com)