12/10/20 10:31:32.53
(>>1の続き)
しかし、今はネット上でもリアルでも、橋下氏自身の人権侵害されたという論調で塗りつぶされているのでしょう?しかも、当事者たちが
早々と白旗を掲げて「ごめんなさい」しているのに、記事に人権侵害がないといまさら私がいうのも、リスクだけあって益がない間抜けな話です。
しかも、ここのところ維新の会の支持率が下がって、袂を分かったはずのみんなの党はおろか、政策がまるで噛み合わない新党大地にまで
接触するような悪あがきをしていた橋下氏が、ここぞとばかりにこの事件を利用して、自分の力の淵源であるテレビでの露出度を上げています。
ここは、嵐が通り過ぎるのを待つように黙っているのが、賢い大人の作法なのでしょうが、もともと飛ぶ鳥を落とす勢いだった橋下維新の会に
ずっと批判してきたような損な性分ですから、まあ、仕方がないかなとあきらめて、私の正直な感想を書こうと思います。
さて、橋下氏は人権侵害されたとおっしゃるのですが、彼のどんな人権が侵害された可能性があるのでしょうか。
考えられるのはプライバシー権や名誉権です。
しかし、彼が被差別部落地域の生れであるとか、お父さんたちがどういう人だったかと言うことは、2011年の大阪ダブル選挙直前から
様々なメディアで取り上げられ、もはや周知の事実ですから、プライバシー性=秘匿性はかなり低いでしょう。
また、そのこと自体を書かれても、今更、彼の名誉=社会的評価を下げるというものでもありません。
橋下氏自身、お父さんたちのことは何十万人もいるフォロワーに向けて何度もツイートしていますし、週刊誌や月刊誌で一族のプライバシー
が報道された直後に行った、知事辞任後初の街頭演説で1000人を超える聴衆の前で、こう叫んで報道されています。
「父親が正式な暴力団員だったって、週刊誌読んで初めて知ったんです。うわさでは暴力団“関係者”とは聞いてましたが…」「これは
しょうがない。死んだ親父のことだから。しかし、今の権力構造を変えるには、坊ちゃんやお嬢ちゃんじゃできませんよ!!実の父が暴力団員?
結構毛だらけだ!!実の父がガス自殺、結構毛だらけ!」
さて、他方、もともと、橋下氏は大阪府知事・市長であり、今や国政上の政党である日本維新の会代表ですから、公的存在であり、
彼に対する表現の自由は最大限保障されるところです。プライバシー権や名誉権という基本的人権も他者の人権との調整原理である
「公共の福祉」により制約を受けますので、許される表現行為であれば、人権侵害にはならないのです。
橋下氏自身、
>「(前略)僕は、生まれてから今に至るまでを丸裸にされるのは仕方がないと思っている。」
>「それが権力チェックだ。どのように育てられ、育ちどのような人格形成になったのか、分析・評論されても当然だろう。友人関係などへの
>取材で全て明らかにされても仕方がない。まあ真面目にやってきたわけではないから、それも含めて有権者に判断してもらわなければ
>ならない。」
とツイートしているのですが、ある人物の評伝を書くのに、その人が生まれた後だけではなく、何世代か前から説き起こすのは、ノンフィクション
では当たり前の手法です。たとえば、安倍晋三という人について書くのに、祖父の岸信介氏のことを書いたら血脈重視でけしからん、という
ことにはなりません。
「生まれてから今に至るまで」を書くとは、どんな家庭に育ったのかを書くことであり、どんな家庭かとは、どんなルーツを持つ親がどんな地域で
育てたかということなのです。彼の親の前科のことだとか、被差別部落出身であることを書いても、それ自体は差別にはならないのです。
(さらに続きます)