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★自民党総裁選 野党生活で変わったか(9月14日)
自民党の総裁選がきょうから始まる。5人が出馬を表明し、26日の投開票に向け既に走りだしている。
3年前の政権交代で野党に転落したが、民主党政権が迷走して支持率を落としており、
自民党は次の衆院選で第1党となって政権に復帰する可能性が高い。
総裁選は次の首相選びにつながるため、機会をうかがっていた党幹部や首相・閣僚経験者が乱立した。
候補予定者は民主党の政権運営や経済・外交・安保政策を批判し「自分が日本を立て直す」と意気込む。
しかし聞きたいのは野党経験で自民党は変わったのか、という点だ。
民主党政権が苦しんだ財政赤字、少子高齢化に伴う社会保障の行き詰まり、
推進と規制が同居したことが遠因となった原発事故などは、自民党政権が官僚組織や財界とともに進めた政策が背景にある。
その反省に立たず民主党を批判しても説得力はない。自民党の支持率が回復していないのはそのためだ。
かつての自民党政治に戻るのは願い下げだ。候補予定者は3年前、なぜ自民党が下野したのか思い起こし、改革の道筋を語ってほしい。
釈然としないのは谷垣禎一総裁の立候補断念だ。野党の総裁として民主党の首相2人を辞任に追い込み、一昨年の参院選でも勝利した。
しかし石原伸晃幹事長が総裁選出馬を譲らず、身を引いた。
自民党は、国民的人気のある「選挙の顔」を選ぶという風潮に染まったままなのではないか。
派閥の長や党内の長老が意に沿わない谷垣氏を降ろそうとしたことも、党が変わっていない実態をさらけ出した。
野党転落で派閥の力が弱まった面もある。町村派は候補を一本化できず町村信孝元官房長官と安倍晋三元首相が出馬する。
無派閥の石破茂元防衛相は上位に食い込みそうだ。
与党に復帰しても派閥解体の流れを止めてはならない。
首相復帰を目指す安倍氏は主張が気にかかる。
元従軍慰安婦の募集などで、旧日本軍の関与と強制性を認めた1993年の河野洋平官房長官談話を見直したいと発言している。
安倍氏は首相時代の2007年にも強制性を否定する発言をした。
アジアだけでなく欧米の議会からも強く非難され、訪米時に「河野談話を継承する」と修正したはずだ。
首相時代の発言修正をまた翻すのでは内外の信用は得られない。
候補予定者には、消費税増税をめぐり谷垣総裁が結んだ民主、公明両党との3党合意の行方も問いたい。
社会保障充実をおざなりにし、増税だけ食い逃げしたり、国土強靱(きょうじん)化の名の下に公共事業に回したりするのでは困る。
北海道新聞 URLリンク(www.hokkaido-np.co.jp)