12/08/20 08:31:31.78
同エリアのとある駅を降りてみると、まず視界に入るのは都営住宅。
住宅街や飲食店街と交差するようにサラ金の無人ATMや今では珍しいテレクラ店も堂々と営業している。
パチンコ屋が何軒も立ち並び、どの店も流行っている。店員によれば「ここに来るのはほとんど地元の人。
主婦と年金をもらっている人が大半ですね」。一人で遊んでいた主婦が言う。
「タバコも吸えるし、冷房もきいてるし、仲間とも会える。嫌なことも忘れられるから、毎日来るよ」
救急車がサイレンを鳴らしながら通り過ぎて止まった。警察官も駆けつけてくる。一人の老人が仰向けに倒れている。
近づくと、警察官が「おじさん名前は」「いつから飲んでるの」と、白昼の酔っぱらいだった。
都営住宅群は何度も外壁の塗り直しをしているようだが、老朽化が目に付く。
住民の高齢化が進んでいるようで、孤独死も多いという。敷地内の家庭菜園にはトマトやなす、
ピーマン、ゴーヤにかぼちゃなどが実っている。鑑賞用ではなく、食べることを目的とした切実な畑だった。
「新・貧困層」はいま、何を感じ、何を思っているのか。彼らに話を聞くと、富裕層に対する憤りの言葉が口をついて出た。
「そもそも大王製紙の"カジノ王"みたいに、日本の金持ちって一族のカネを相続して資産を大量に持っているただのボンボンだろ。
自分自身は無能でも相続税が低いから金持ちでいられるわけで、そんなやつが偉そうなこと言うなよ。
鳩山由紀夫がまた42億円も母親から"子ども手当"をもらっていたでしょう。
政治家にはこんなアホ二世、三世しかいない。安倍晋三がむかし『自助努力が必要』と言っていたけど、
お前がいままで自助努力なんてしたことあんのかと突っ込みたいよ」(50代の派遣労働者)
「こないだ驚いたのはソニーのストリンガー(取締役会議長)が億単位の報酬をもらっていたこと。
赤字を出し続けているのに責任は取らないで、リストラと工場閉鎖で日本の雇用に大打撃を与えた経営者にカネを与えるなんて、
ふざけんな。売国奴として国外追放すべきだよ。
政治家、経営者、ボンボンらが既得権益を守るために"談合"して金持ち優遇の税制を作って、貧乏人から搾取しているのが日本の構造ってこと。
こう言われて悔しいなら、消費税じゃなくて相続税をいますぐ100%にして、俺たちと同じ土俵で勝負してみろ。自分がどれだけ世の中で通用しないかよくわかるはずです。
どこにも雇ってもらえないし、工場労働者としてもまともに働けないに違いないからね」(40代の日雇い派遣)
まるで憎しみ合う夫婦のように、死ぬまでわかりあえない。互いのことを見下し、罵り合い、自分の正当性を声高に叫ぶ。
かつて「一億総中流」と呼ばれた日本で、いまだかつてない不平等感に国民が怒りを爆発させているのだ。
きっかけは生活保護問題と民主党政権による税制改正。全国で国論を二分する議論が噴出し、
互いが互いを「金持ちにちゃんと税金を払わせろ」「働かないものに税金を与えるな」と罵り合う舌戦が繰り広げられた。
その結果、価値観が真っ二つに割れた金持ちと貧乏人が真っ向から対立する分断社会が到来したのだ。
怒っているのは貧困層側だけではない。金持ちの怒りの声を聞こう。
「最近、生活保護を受給しているやつらの話が問題になったけど、もっと盛り上がって欲しいね。
われわれが命をかけて稼いだ中から税金を納めているのに、生活保護を受けているやつらはろくに働こうともせず、
もらった税金でパチンコや競馬をやったり酒を飲んだりしているから、心底許せないんです。
日本国憲法でも労働は義務だと謳っていることを忘れているのかな。働かないなら日本を出て行けって思いますよ。