12/07/07 19:28:59.37
>>1の続き
「貯蓄から投資へ」。政府はずいぶん前から掛け声をかけていますが、個人のお金は銀行から動きません。なぜでしょうか。
今の日本でお金を持っているのは高齢者の方々です。政府の統計でみても、貯蓄残高の約60%を60歳以上の方が占めています。
一方で、30歳未満の層の占める比率は0.5%です。20代の若者は貯金どころではないという現実が、
この数字からも垣間見えます。
高齢者の方は金利7%、10年で2倍に増える銀行預金の古き良き時代を知っており、その恩恵を実際に受けてきた世代です。
だからでしょうか、銀行預金以外の資産運用にあまり関心がない場合が多いようです。
例え利息は大幅に少なくなっても、相変わらず、ゆうちょ銀行も含めた銀行預金から、あえて資金を動かそうとしません。
そういう発想すらないのかもしれません。
現在、60代、70代のリタイアしたサラリーマンOBの方は、平均像として持ち家があり、住宅ローンは終わっています。
退職金も年金もしっかりもらえる世代なので、「資産は増えなくても、大きく減らなければいい」と考えがちです。
夫婦で月25万円程度の年金を受け取り、預金を取り崩すのは、たまの旅行や孫の入学祝いくらい。
日本経済はデフレが続き、物価が上がらない状態がもう20年も続いています。まとまった現金を持つ高齢者にとって、
実は今の日本は経済的には過ごしやすい環境が続いているのです。
今、年金を受給している世代は、資産運用とは無縁でも生きて行けた、幸福な世代といっても間違いはないでしょう。
一番お金をもっている層が、低い利息で増えないことを承知で銀行に預けたままにしている。
これではいくら政府が「貯蓄から投資へ」と叫んでも、証券市場に個人のお金は流れません。
銀行は銀行で、たくさん預かった預金をすべて融資に回せるわけではありません。景気が低迷し、企業の設備投資意欲は
衰えたままなので、銀行からお金を借りる企業はなかなか増えません。
銀行は仕方がないので、余った預金で国債を購入しています。
日本の国債が長年、10年債で1%前後と非常に低い水準で推移しているのは、銀行や保険会社などがせっせと国債を
購入していることも一因で、実は個人のお金が銀行を経由して、本人はまったく知らないまま、
国債市場に流れているともいえるのです。
続きます…