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日韓両国の「日本海」の呼び名を巡る軋轢(あつれき)が23日からモナコで開催される国際水路機関(IHO)の総会で波乱を
呼ぶ可能性が出てきた。
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海図の改善や海域の国際表記などを決めるIHOが、従来通り「日本海」と呼び続けるのか、もしくは韓国側が主張する「東海」
の名称を併記するのかに注目が集まっている。
「われわれは白熱した議論を期待している」と韓国外務省を代表する政府関係者は述べた。韓国側は歴史学教授や外交官、
海事関係者ら総勢16人の代表団をIHO総会に派遣している。これは米英に続き3番目に大きな規模。(日本の代表団は9人。)
「白熱した」という言葉は、この地味な各国間の調整機関であるIHOには似つかわしくない表現だ。5年に1度開催されるIHO総会
の議題は、主に電子画面表示システムのための航海図の基準の調整に関わるものなど、ほとんどが議論を呼ばないものだからだ。
しかし、日韓の言い争いになると話は別だ。1990年代から議題となり始めた名称の問題は、国家の安全保障や経済的理由と
いうよりは、国家のプライドに関わるものだと両国の関係者は認めている。呼び名がどうであろうと、日韓および北朝鮮、中国、
ロシアに接する海域の覇権に何ら影響は及ぼさないからだ。
だが両国の軋轢(あつれき)はIHOにとって大きな頭痛の種になっている。海洋の名称の基準となるIHOの「大洋と海の境界
(Limits of Oceans and Seas)」という地図の改訂作業の障害となり続けてきたのである。S-23という文書名で知られるこの
出版物は、大洋の境界や名称の基準となるもので、これを基に世界中の航海図が作成されている。
IHOはS-23の初版が発行された1929年から、この海域を「日本海」と呼んでいる。しかし韓国側はこれを日本の帝国主義の
名残だと主張、朝鮮民族が2000年以上にわたって使用してきた「東海」の名称を併記するようIHOに求めてきていた。
日本側は海事の安全上の取り決めを行う技術的な機関に政治を持ち込んだとして非難、「日本海」の単独表記の維持を
主張している。また日本政府は同国が1910年に韓国を併合する以前の17世紀初頭からこの海域は日本海として知られていた
としている。
日韓両国ともS-23の早期改訂は必要であるとの認識では一致している。現在の版は1953年に発行されたもので、シャム
(現在のタイ)、ビルマ(ミャンマー)、蝦夷(北海道)など、すでに使用されていない国・地域名がそのままになっているほか、現在では
広く通用している名称、たとえば南極海などの表記がない。
一方、他のIHO加盟国は日韓の争いに辟易(へきえき)としているようだ。IHOを運営する国際水路局(IHB)のフェット副局長は、
「(両国の)激しいロビー活動」がS-23改訂作業の障害になることが何度もあったと語る。今週の会合では、今後どのように改訂を
すすめていくのか各国は意見を求められるが、フェット氏によれば、「加盟国の多くは、全体でこれ以上の話し合いを行う前に、
日韓二国間で解決法を見い出して欲しいと期待している」。
IHO総会は加盟80カ国から300人余りの代表団が出席し、23日から5日間の予定で開催される。
ソース(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) URLリンク(jp.wsj.com)