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★日本車をガラパゴス化させない3つの条件 世界販売1億台時代、HV技術だけでは勝てない
「今年の自動車業界は米国市場が世界を引っ張る。そうしたら日本車の出番だ」。
トヨタ自動車(証券コード7203)の幹部の表情が明るい。
トヨタは2012年、世界で958万台を売る計画だ。東日本大震災やタイの洪水があった昨年より、163万台も増加する。
けん引するのが、米国だ。
米国は10年近く眠っていた買い替え需要がようやく目を覚ます。
ガソリン価格が1ガロン4ドルの高値に近づき、燃費の良い小型車やハイブリッド車(HV)はとりわけ売れそうだ。
一方、ドイツや韓国勢は足踏みする。軸足を置く中国など新興国がスローダウンし、モデルチェンジも端境期。
昨年世界3位に後退したトヨタにとって、今年はチャンスの1年だ。
しかし、だ。ドイツや韓国メーカーの猛攻はこれで終わりだろうか? そうではないはずだ。
■水面下で構造変化
水面下では3つの構造変化が起きている。ひとつは3年後に訪れる環境規制強化の波だ。
15年以降は米国、欧州連合EU)、日本、中国などで燃費への規制が一斉に厳しくなる。
URLリンク(www.nikkei.com)
HVを持つ日本は一見、有利なようだ。
だが、世界を見渡せば、真ん中に鎮座しているのは、
欧州がディーゼル車、ブラジルがバイオエタノール車の技術だ。
中国は日本のHV技術を導入しようとしたが、やめてしまった。
中国メーカーには量産が難しいうえ、日本勢が技術の移転に慎重だった。
その間に、フォルクスワーゲン(VW)がガソリンエンジンを基本に
HV並みの燃費を実現する簡易な技術を搭載したクルマを出し、あっという間に中国勢に広がった。
みずほコーポレート銀行の調査によれば、30年ごろに最も普及している
エコカー技術は、このままいくとVWの簡易技術だ。
中国に加え、米ゼネラル・モーターズ(GM)やドイツのBMWなどもこれにならう動きが出てきたという。
URLリンク(www.nikkei.com)
キーワードはHVでなく、ダウンサイジング(エンジンの小型化)と呼ばれるそうした技術かもしれない。
だとすれば、日本の技術ははしごをはずされ、ドイツや韓国の後じんを拝するような事態は起きないか。
エコカー技術だけではない。米国では「ジェネレーションY」と呼ばれる世代が新しいクルマを求め始めた。
日本車をこれまで支えてきたのはジェネYの親に相当するベビーブーマー世代。
しかし、自動車ユーザーとしてのベビーブーマー世代はすでに減少傾向に入り、
代わりに台頭してきたのがジェネYである。昨年はホンダ(7267)の新型「シビック」が発売直後から
不振が続き、「シビックショック」といわれる現象が起きた。
日本車が売れなかった理由は、タイの洪水だけではなかったのだ。
最後は新興国だ。今後10~20年にわたり、主戦場になっていくのは間違いなく新興国である。
だが、日本勢はまだ、十分に戦えるクルマを出しているとはいえず、ドイツや韓国の存在感が増している。(続く)
▽関連資料 みずほコーポレート銀行
◆新興国市場における次世代自動車普及見通しと完成車メーカーの戦略方向性
―中国の電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HEV)普及の方向性とインドの可能性―(PDF/871KB)
URLリンク(www.mizuhocbk.co.jp)
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