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野田佳彦首相は2日、英国と武器(装備品)の共同開発に踏み切る方針を固めた。
昨年12月の「武器輸出三原則」緩和により初めて可能となった。
英政府は日本が高い技術力を誇る155ミリ榴弾(りゅうだん)砲(火砲)の「自動装填(そうて
ん)装置」など4案件の共同開発を打診している。
野田首相は、キャメロン英首相が4月に訪日した際の首脳会談で正式合意したいとの意向を示して
おり、外務、防衛両省は共同開発に関する事前協議を加速させる。
初めての共同開発の相手国を英国にしたのは、ライセンス生産や技術移転での制約が少ないからだ。
米国が兵器システムの技術移転に厳しい制約をかけるのとは対照的で、日本の防衛産業が最新技術
を吸収できるメリットは大きい。
英国は輸出管理が厳格で、武器が紛争当事国に移転される危険性も低いと判断した。
航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定をめぐる英政府の熱意に報いる意味合いもある。
キャメロン首相は2度の電話会談で欧州共同開発のユーロファイター導入を野田首相に求めたが、
政府は昨年12月、米国が開発を主導したF35ライトニング2の導入を決めた。
首相はその頃から共同開発の相手国として英国を本命視するようになったという。
自動装填装置は日本の国産技術で、砲弾と火薬を一緒に収めたカートリッジを自動で砲身に詰めら
れるのが特徴。
装置を組み込んだ陸上自衛隊の「99式自走155ミリ榴弾砲」は発射間隔が短く戦闘能力も高い。
これに対し、英軍の自走155ミリ榴弾砲「AS90」改良型は砲弾と火薬を別々に砲身に詰める
旧式システムで改善を迫られていた。
陸自は平成24年度予算案に榴弾砲開発費を計上しており、英側はこれを日英共同開発に持ち込み
たいと考えているとみられる。
英側は艦艇のエンジンなど3案件での共同開発も打診している。
榴弾砲は「殺傷」「戦闘」をイメージさせるため、政府内では、中国や韓国の反発を避けるため、
人道支援や災害救援用の装備から共同開発に参入すべきだとの声もある。
ソース:産経ニュース
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