11/12/13 23:12:33.64
どんな競争でも勝つ方法。それは、自分が勝てるようルールを変えてしまうことだ。防衛省で進む次期戦闘機
(FX)選定は、まさにルールを変えた不公正な競争であろう。マイカーを買うのにカタログだけ見て決める人は
珍しい。しかし、防衛省では次期戦闘機を飛ばすことなく書面審査だけで決めようというのだ。
候補はF35(米ロッキード・マーチン社)、F/A18(米ボーイング社)、ユーロファイター(英BAEシステムズ社)の
三機種。防衛省が重視するのは「性能」「経費」「国内企業参画」「メンテナンスなどの後方支援」の順という。
一番大事な性能を比較するのに飛行審査を排除する手法は、過去の手法と矛盾している。航空自衛隊の
F15戦闘機を採用した一九七六年の機種選定では、調査団が六十日間米国に滞在し、当時の候補三機種を
操縦して身をもって性能を確認した。当時の状況について防衛省の担当幹部は「過去のことは分からない」と
まるで他人事である。
●開発遅れて売れないF35
日本とほぼ同時進行でFX選定を進めるインドの場合、候補六機種をインド軍の操縦士が飛ばし、六百四十三
項目の性能を比較した。その結果、四機種が脱落した。飛ばしてダメだったというのだから、これほど説得力の
ある選定方法はない。
日本のFX選定から飛行審査が消えてホッとしているのは、F35の陣営、つまり米政府とロ社だろう。
米政府監査院が今年四月、「飛行試験で能力の四%が証明されたにすぎない」と苦言を呈するほどF35の
開発は遅れている。
一方、F/A18とユーロファイターは対リビア航空作戦にも参加した現役機である。現段階の飛行審査は「大人と
子供の競走」になりかねないが、書面審査なら一番新しいF35が高く評価されるのは間違いない。これこそが
ルールを変更した一番の理由であろう。
では、なぜF35を優遇するのか。そこには航空自衛隊の異様な思い込みがある。
二〇〇七年四月、沖縄付近で行われた模擬空中戦で、空自のF15とF4戦闘機は、米空軍のステルス戦闘機
F22に完敗した。空自の戦闘機はレーダーで相手を発見できず、次々に「撃墜」されたのだ。
これでステルス機のとりこになった空自だが、米議会によるF22の輸出禁止決議で断念。ゲーツ前米国防長官
から「代わりにF35はどうか」と進言され、今日に至っている。
F35の特徴もステルス性にある。だが、高額なF22の代替機として開発された廉価版に過ぎない。F22ほどの
ステルス性はなく、エンジンも双発から単発に減らしたため最高速度はマッハ一・七とかなり遅い。
ステルス機の欠点のひとつは、レーダー波を吸収する特殊塗料を塗り直す必要などから整備性が悪い点にある。
今年一月、カナダ議会で証言を求められた米シンクタンク「国防情報センター」のホイーラー氏は「F22の
任務遂行率は六一%。B2爆撃機は五五%と報告されている。もしF35がこのパターンを破るなら、最初の
ステルス機になる」と稼働率の低さを指摘し、「最終的な性能は貴国が購入した後にしか分からない」と
カナダ議会に警告した。
>>2以降に続く
ソース:YAHOO! JAPAN NEWS(12月13日(火)10時15分)
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)
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