12/11/15 06:34:11.84 hg7mqIO+
看護師さえいてくれれば…心細い思いで過ごす夜
今から6年前のこと。深夜に同僚から「入居者の意識がない」と切羽詰った声で連絡が入りました。
急いでフロアに駆けつけるとそこにはベッドでぐったりとしている80代男性と
男性に馬乗りになって心臓マッサージをする同僚の姿がありました。
居室を覗いた時には既に意識が無くなっていたようです。
老衰の場合は看護師から事前に連絡がありますからこれは事故の可能性が高いと判断し
救急車が来るまでの間、私たちに出来る事はないのかと考えを巡らせていました。
すると男性の居室のゴミ箱に飴の包み紙が捨てられているのを見つけました。
これは誤飲の可能性が高いと判断し急きょ吸引器で応急処置をしました。
しかし、救急車が到着する迄の間に男性の体はみるみる冷たくなっていったのです。
「もうだめだ」。その場にいた全員が男性の死を覚悟しました。
しかし、救急車が到着する迄応急処置を続ける事が後々のトラブルを避ける上で必要になります。
絶望感に打ちひしがれながらもその場にいた全員が交代でひたすら男性の心臓マッサージを繰り返しました。
その日は警察の現場検証も入り家に帰れたのは正午を過ぎていました。
夜勤の疲れと男性を救う事が出来なかった虚無感が全身を覆いつくしなぜ自分達ばかりがこんな思いを
しなければならないのだろうと涙が頬を伝いました。しかしもっと気の毒だったのはフロア担当者の同僚です。
男性が亡くなった日、たまたまそのフロアを担当した事で上司から責任を問われすっかり自信を失っていました。
「看護師さえいてくれたら…」。同僚の言葉は私たち介護職の切実な願いなのです。
一晩で私たち介護職は3度のおむつ交換をします。
午前4時30分。3度目のおむつ交換が終わって夜が白々と明けだしたら「今日も何も無くて良かった」
「どうかこの先も…」と無事に夜が明けるのをただただ祈るのみなのです。