12/09/01 02:00:35.10 ls+putyD0
本拠地、ショップ大会で迎えた規制前夜戦
終ってみれば勝ち星は0勝、ヴェーラーが当たり惨敗だった
ショップに響く常連のため息、どこからか聞こえる「今時シンクロってｗｗｗ氷結界ｗｗｗ」の声
帰り始めるプレイヤーの中、かつての強カード氷結界の龍ブリューナクは独りデッキで泣いていた
シンクロ環境で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間たち・・・
それを今のエクシーズ環境で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」ブリュは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、ブリュははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいエクストラデッキの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って棺桶の準備をしなくちゃな。待ってろトリシュ」ブリュは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ブリュはふと気付いた
「あれ・・・？生還の宝札・・・？」
エクストラデッキから飛び出したブリュが目にしたのは、手札をデッキと見紛うようなドローだった
相手プレイヤーが切れそうなほどにドローし、地鳴りのように観戦者の怒号が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするブリュの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ブリュ、ハンドを切るんだ、ゾンマスを蘇生するぞ」声の方に振り返ったブリュは目を疑った
「め、馬頭鬼？」 「なんだブリュ、居眠りでもしてたのか？」
「ゴヨウガーディアン・・・？禁止になったんじゃ」 「なんだブリュ、かってにゴヨウを禁止にしやがって」
「ゾンビキャリアさん・・・」 ブリュは半分パニックになりながらフィールドを確認した
馬頭鬼、ゾンマス、ゾンキャリ、ゴヨウ、玄米、生還の宝札、エクストラを埋め尽くさんばかりの白
暫時、唖然としていたブリュだったが、全てを理解した時、もはや彼龍の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
手札から無尽蔵にアンデッド族を捨て、全力でバウンスするブリュ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ストレージで冷たくなっているブリュが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った