10/10/16 18:21:14
>>569
EUの基本理念はまだ確定していない。特にフランスとイタリアの対立が目立つ。
・フランスの主張: ギリシャ、ローマ文明やその後の啓蒙思想などによって育まれたヨーロッパの文化、
宗教、人道主義
・イタリアの主張: キリスト教に起源を持つ欧州の国々
フランスでは、フランス革命以降、政教分離を貫いてきていて、人権概念も宗教に依存していない。
そもそも、フランス革命からさらに200年を遡る1589年に、フランスでは信教の自由が確立していた。
一方、イタリアではますます宗教色が強まってきていて、精神病院がなくなり、困った患者たちが
エクソシストに助けを求めたため、カトリックはエクソシスト不足に慌てている。
ドイツでは中間的な人が多くて、神の存在を信じる一方、聖書を信じない人も少なくない。聖書を
信じていても、教会を信じない人もいる。カントは自らの存在と思索に最終的な意味を与える
存在として神を排除しなかったし、カール・マルクスは「聖書は神聖だが、宗教はアヘンだ」といった。
民族が多様なヨーロッパでは、似たような制度を持つ国々の間でも、制度の支える背景理念は
大きく異なっていることが多い。