08/07/26 14:01:00
タイでの幼児虐待・売買描く 阪本順治監督「闇の子供たち」
タイでの幼児虐待・売買を描く阪本順治監督「闇の子供たち」が8月2日から、東京・渋谷のシネマ
ライズなどで公開される。タイ社会の闇をえぐるだけでなく、「買う」側の日本人の恥部も暴こうとした
作品。「安全な場所に身を置いて世の中を撃つことはできない。子供たちの痛みを背負う覚悟だった」
と話す阪本監督は、タイでの“越境”撮影を試みている。
梁石日の同名小説が原作。タイで生体臓器移植を受ける日本人の子がいた。日本の新聞社のバン
コク支局記者・南部浩行(江口洋介)は、臓器提供者のタイの少女が、貧困に苦しむ親に闇組織へ売
られていたことを知る。日本で福祉を学んだ音羽恵子(宮崎あおい)らと幼児売買の調査を始めるが、
闇組織と有力者との癒着、貧困問題などの壁に突き当たる。
「どこまでが創作で、どこからが事実か」。阪本監督は幼児性愛や虐待の実態を資料で調べた。足か
せをはめられた少女の写真を見て衝撃を受け、現地のジャーナリストやNGOにも話を聞いた。「虐待や
売買は摘発で地下に潜った。子供たちを救わねばと思いつつ、映画で何ができるのかと、無力を感じ続
けた」
金大中氏拉致事件を映した「KT」での韓国入りに続く“越境”。韓国人から「日本人に撮ってほしくない」
「不愉快だ」と言われた。タイでも「買うヤツがいるから売るヤツがいる。セックスツアーに来る日本人は
お断りだ」との悪名を耳にした。劇中、日本人男性がスーツケースの中に少女を隠して宿に運び、撮影し
た写真をネットに載せる姿が描かれる。
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