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ホエザル、鳴き声太いほど睾丸小さい 研究で判明 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
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【10月23日 AFP】一番力強い鳴き声を持つ雄のホエザルでは、睾丸のサイズが最も小さかったとの研究結果が22日発表された。鳴き声は、雌を引き付ける際に役立つ特質であるため、今度
ジャングルで、喉の奥から絞り出すような太くて大きなホエザルの鳴き声が聞こえたら、「彼は何かの欠点を埋め合わせようとしているのかな」と考えるのが正しいのかもしれない。
米ユタ大学(University of Utah)の科学者、レスリー・ナップ(Leslie Knapp)教授(人類学)にとって今回の研究の成果は、進化の「しっぺ返し」に関する興味深い知見をもたらすものだという。
米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表された自身の研究について、ナップ教授は「鳴き声と睾丸(calls and balls)の研究論文」と呼ぶ。
「この考え方は、英自然科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)の時代からあるが、交尾前の鳴き声の特性と交尾後の精子競争との間の両立し得ない関係性(トレードオフ)を
実証したのは、今回の研究が初めてだ」とナップ教授は説明。「ホエザルの鳴き声は繁殖にとって重要な意味を持つというダーウィンの指摘は正しかったと思われることを今回の研究は示している」と続けた。
最も太い声を持つ雄は、他に雄がいない雌数匹だけのハーレム状態のグループで暮らしている傾向があった。それとは対照的に、より睾丸が大きく、声の力強さで劣る雄は、他の雄と雌を
奪い合っていた。これらの群れの中の雌は、複数の相手と交尾をした。
このように競争相手のいる状況では、より大きな睾丸でより多量の精子を作る能力が、卵子を受精させる際に有利に働く可能性があると、研究チームは指摘する。
■「同じ問題に対する異なる解決策」
今回の研究は、舌骨(ぜっこつ)として知られる喉頭内の骨の調査に基づくものだ。舌骨が大きいほど、ホエザルがより大きくて太い鳴き声を発する助けになる。
研究チームは、欧米の博物館から集められたホエザルの舌骨255個の体積を算出するために、3次元(3D)レーザースキャンを使用した。睾丸の大きさのデータは、ホエザル66匹に関する既発表の
文献から収集。さらに、ブラジルとドイツの動物園でホエザル21匹の睾丸の大きさをノギスで測定した。
ナップ教授によると、トレードオフは「同じ問題に対する異なる解決策」を通じて発生したと考えられるという。「大きな舌骨と大きな睾丸の両方を形成するのは不可能だ。これは次の理由で起きた
可能性が高い─ある種族では、大きな舌骨を持つ個体がより多くの子孫を残せた。しかし別の種族では、大きな睾丸を持つ場合に、より大きな成功を収めることができた」と教授は説明した。
好みに差が出る理由が何であれ、サルの雌と人間の女性はどちらも、パートナーを選ぶ際に声が太い方を好む傾向があると考えられている。
「大きな舌骨によって、雌が雄に感じる魅力を高めたり、自分が体が大きくて恐ろしい存在だと他の雄に思わせたりできる可能性がある。これは、雄が自分のハーレムを守り続けるための最善の
方策なのかもしれない」とナップ教授は話している。(c)AFP