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★総理大臣がなんだ! ノーベル賞・大村智先生の、権威に媚びない「痛快人生」
山梨の農家の長男として生まれて、夜間高校の先生になり、一念発起して研究者に。
そして自分の作った薬が世界中の人の病気を治す---そんな偉人めいた話がぶっとぶ、豪快なセンセイの一代記。
●総理からの電話に「あとでかける」
2年連続、しかも複数分野でのノーベル賞受賞に日本列島は沸いた。
口火を切ったのが、10月5日に医学・生理学賞を受賞した大村智・北里大学特別栄誉教授(80歳)だ。
受賞理由は、アフリカで年間数千万人が感染し、重症化すると失明に至る感染症・オンコセルカ症の特効薬『イベルメクチン』の発見と開発。
アフリカでオンコセルカ症の診療にあたっていた長崎大学熱帯医学研究所元所長の青木克己氏が、当時の反響を語る。
「それまでオンコセルカ症に対して安全で有効性のある薬はなかった。
われわれにできることは、寄生虫を媒介するブヨを殺虫剤の散布で殺すことだけ。
それだけに、イベルメクチンができたときは大騒ぎでした。
日本ではあまり知られていませんでしたが、世界では大村先生の名前はとうに浸透しています。私は先生のノーベル賞受賞は20年遅いと思っています」
とはいえ、世界に冠たる「平成の野口英世」の素顔は、温厚な人格者というよりは、独立自尊、時の権力にもズバズバと物申す快男児なのだ。
持ち前の反骨心は、受賞の一報を受けての北里大学での記者会見で、さっそく発揮された。
業績紹介や学長挨拶の後、詰めかけた報道陣を前に大村さんが挨拶をしようと口を開きかけた刹那、事務方が「安倍総理からお祝いの電話です」と耳打ちした。
すると、大村さんは「あとでかける」とにべもない。
気を利かせたつもりの司会者が、「ただ今、安倍総理のほうから電話が入っておりまして、そのあと大村先生のご挨拶を」とフォローした。
苦笑い気味に携帯を耳にあてた大村さんが、再び報道陣に向き直って発したひと言は―。
「今、総理大臣から電話があるそうですけども、(この電話口で)ちょっと待たされております。タイム・イズ・マネー。(会見を)続けましょう」
こう言って、挨拶に戻り、今度は総理のほうを待たせたのである。
この対応に、「わざわざ記者会見の最中に電話を入れてくるような政権の人気とりを一蹴してくれて、胸がすっとした」
「大村さん最高!」などの感想が、ネット上に溢れかえった。(以下略)
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