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ヴェロキラプトル、翼のある羽毛恐竜か 研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
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【7月17日 AFP】映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』の中では、体がうろこに覆われた緑色の凶暴な人食い恐竜として描かれたヴェロキラプトルは、実際は歯を持つ大型のシチメンチョウに
似ていた可能性が高いとの研究結果が16日、発表された。
英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された論文によると、「チェンユアンロン・スニ(Zhenyuanlong suni)」と命名された
新発見の近縁種の化石を詳細に調べた結果、ヴェロキラプトルは大きな翼を持ち、体表が羽毛で覆われていた可能性が高いことが分かったという。
論文共同執筆者の英エジンバラ大学(University of Edinburgh)のスティーブ・ブルサット(Steve Brusatte)氏と研究チームは、ヴェロキラプトルに最も近い近縁種であるチェンユアンロンの化石を
復元した。チェンユアンロンは約1億2500万年前、中国北東部の遼寧(Liaoning)省に生息していた。
鼻先から尾の先端までの全長が約2メートル、体重が約20キロで、肉食性だった。翼を持つ恐竜としては、これまでに発見された中で最大だ。翼の先の鋭いかぎ爪と歯が多数並ぶ口を除けば
「チェンユアンロンは、鳥にそっくりの恐竜だ」とブルサット氏は、AFPの電子メール取材に語った。
この中国で発見された化石は保存状態が非常によいため、体には毛のような羽毛、腕には大きな羽根ペンのような羽毛と、異なる種類の羽毛が生えているのがはっきりと確認できる。また、
翼と尾には濃い羽毛が生えていたという。
「短い腕を持つ、かなり大型の恐竜なのに、現生鳥類にそっくりの翼がある」と話すブルサット氏は、「これにより、本当に大きな謎が生じる。そのような動物がなぜ翼を持っていたのだろうか」との疑問を
投げかける。
■チェンユアンロンの翼は何のため?
それは、飛行のためではない可能性が高い。チェンユアンロンは、空を飛ぶには体が大きすぎ、腕も短すぎたからだ。
翼は誇示行動や、巣の中で卵を守るために使われたのかもしれないと、研究チームは推測している。「このことは、翼が当初より、飛行のためではなく、他の機能のために進化したことを意味する
のかもしれない」とブルサット氏は指摘する。「数年前は、大きな羽毛と翼は飛行のために進化したと大半の古生物学者らが口を揃えていたと思う。だが今は、もはやどうだか分からなくなっている」
これまでの研究では、ヴェロキラプトルの腕の化石に羽軸の付着点があるのが確認されていたが、実際の羽毛は見つかっておらず、羽毛の種類や大きさ、何のためにあるのかなどは不明だった。
「チェンユアンロンに関しては、幸運だった。化石が発見されたのが、恐竜が火山によって埋められ、羽毛の細部がそのまま保存された地域だったからだ」とブルサット氏は説明する。
同氏によると、チェンユアンロンを調べることで、ヴェロキラプトルの羽毛がどのような外見をしていた可能性が高いかを知ることができるという。それによると、ヴェロキラプトルはチェンユアンロンに似た
羽毛を持ち、腕に大きな翼があったとみられるという。
また、ヴェロキラプトルの大きさについて同氏は、チェンユアンロンより少し小さく、「映画で描かれた姿よりもはるかに小型で、プードル犬程度の大きさしかなかった」ようだと話している。
最初の鳥は1億5000万年前に出現し、小型の羽毛恐竜の子孫だったと古生物学者らは考えている。(c)AFP/Mariette LE ROUX