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掲載日:2015年3月16日
URLリンク(news.mynavi.jp)
東北大学と大阪大学の研究グループは、従来の物質とは全く異なる新しい状態をもつトポロジカル絶縁体と
普通の金属を接合させることによって、普通の金属にトポロジカルな性質を付与する「トポロジカル近接効果」
という新しい現象を発見し、質量のない高速のディラック電子をトポロジカル絶縁体の外に取り出すことに
成功したと発表した。
同研究グループは、東北大学大学院理学研究科の佐藤宇史准教授、同原子分子材料科学高等研究機構の
高橋隆教授、大阪大学産業科学研究所の小口多美夫教授、および同研究所の安藤陽一教授らが参加。同成果は、
次世代省エネルギー電子機器を支えるスピントロ二クス材料技術とその産業化に大きく貢献することが期待される。
今回の開発で、東北大学と大阪大学の共同研究グループは、2010年に同グループが発見したTlBiSe2(Tl:タリウム、
Bi:ビスマス、Se:セレン)というトポロジカル絶縁体の上に、2原子層のBi超薄膜を接合し、スピン分解光電子分光という
手法を用いて、ディラック錐とBi超薄膜のエネルギー状態を高精度で調べた。その結果、Bi超薄膜によってディラック錐の
エネルギー状態が劇的な影響を受け、もともとトポロジカル絶縁体の表面に局在していたディラック電子がBi側に移動する
「トポロジカル近接効果」が起こっていることを初めて突き止めました。
今回の発見は、「トポロジカル絶縁体のディラック電子は表面に束縛されて結晶外に取り出せない」というこれまでの
常識を覆すとともに、「トポロジカル表面状態を実空間で操作する」という、全く新しい概念を提案するもの。
今後、トポロジカル近接効果を積極的に活用する事で、例えば、ありふれた金属にトポロジカルな性質を意図的に
付加して、スピントロニクス素子の性能を格段に向上するといった応用が期待される。また、今回の成果を基に
さまざまなトポロジカル物質の開発が進めば、トポロジカル絶縁体を利用した次世代省エネデバイスの実現に
向けての研究が大きく進展すると期待される。
なお、同成果は、英国科学雑誌「Nature Communications(ネイチャーコミュニケーションズ)」オンライン版で
公開されている。
<参照>
普通の金属にトポロジカルな性質を付与することに成功 | AIMR
URLリンク(www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp)
Topological proximity effect in a topological insulator hybrid : Nature Communications : Nature Publishing Group
URLリンク(www.nature.com)