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9月27日に噴火した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)は、
絶滅の危機にある国の特別天然記念物、ライチョウの数少ない生息地だ。戦後最悪となった火山災害は、
御嶽山の高山帯に生息するライチョウに今後、甚大な被害を与える可能性があり、
専門家は「火山灰の影響で主食である高山植物が枯れ、春の繁殖期に餌が取れない恐れがある」と心配する。
長野県は来春にも御嶽山でライチョウの個体数調査を実施し、保護に乗り出す方針を固めた。【真野敏幸、
藤河匠】
【絶滅危機ライチョウ】人が近づいても逃げず、悠然と餌をついばむ
◇来春にも個体数調査へ
環境省などによると、ライチョウは日本アルプスの標高2500メートル以上の高山帯に生息する。近年、
温暖化などの影響で、カラスやキツネなどが高山帯まで進出し、ヒナや卵が食べられるなどして個体数が減少。
1980年代は国内に約3000羽いたとされる個体数は、現在約2000羽弱と推測されている。
御嶽山では、林野庁中部森林管理局が2012年度に調査し、153羽が生息していると推定した。
今回の噴火の影響について、ライチョウの生態に詳しい信州大教育学部の中村浩志特任教授は「灰をかぶっても、
ほとんどのライチョウが無事に逃げられたと思う。
冬の間は雪や灰があまり積もっていない亜高山帯に下りて木の芽を食べるため、飢える心配はないだろう。
ただ、普段暮らしている高山帯には灰が降り積もり、植物が枯れて餌が取れないため、
春に巣作りできない可能性がある」と懸念する。
御嶽山が有史以来初めて噴火した1979年秋の前後で、
ライチョウの個体数にほとんど変化がなかったという記録もある。中村教授らの独自調査によると、
繁殖期の79年春につがいを約50ペア確認し、81年春も50ペアだった。ただし、
95年春には35ペア、08年春は28ペアと減っており、長期的には減少傾向にあるとみられる。
長野・岐阜両県は、ライチョウを県鳥に指定している。長野県自然保護課は「入山規制が来春に緩和されるか未定だが、
緩和され次第、調査に向かいたい」と話している。
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