14/09/16 23:22:03.45
ジャガイモの有毒アルカロイド生合成酵素遺伝子を同定
-ジャガイモ食中毒の低減が図れる育種に期待-
「ジャガイモの芽には毒があるから取らなきゃダメ」と、学校の家庭科の料理実習で教わった経験があります。
この有毒物質は「ステロイドグリコアルカイド(SGA)」といわれるもので、
SGAにも種類があってジャガイモに含まれているのは、α-ソラニン、α-チャコニンなどだそうです。
安心して食べられるジャガイモを作るにはSGAの含有量を下げなければならなりません。
これまでの研究で、SGAはコレステロールを中間体として生合成されることが知られていました。
しかし、植物に含まれるステロールの中ではコレステロールの量が少ないため、SGAの詳しい生成メカニズムは明らかではありませんでした。
そこで、理研、食品会社、大学の研究者からなる共同研究グループは、SGA生成メカニズムの解明に取り組みました。
植物が有する主なステロールとして、「24-アルキルステロール」が知られています。
コレステロールと24-アルキルステロールの化学構造上の違いは、24位アルキル基を持つかどうかです。
24位アルキル基は、メチル基転移反応と24(28)位還元反応を受けて生成されます。
例えば、シロイヌナズナでは、「DWF1」酵素が24-アルキルステロールを生合成するときに24(28)位還元反応を触媒します。
一方、ヒトを含む動物ではDWF1の相同体(ホモログ:共通の祖先を持つタンパク質)の「DHCR24」が、コレステロール生合成における24(25)位還元反応を触媒します。
共同研究グループは、ジャガイモやトマトで発現している遺伝子群の中に、DWF1と DHCR24のホモログと考えられる
タンパク質の遺伝子が2種類含まれていることを発見し、それぞれを「SSR1」、「SSR2」と名付けました。
次に、出芽酵母を用いた異種遺伝子発現実験を行ってSSR1、SSR2の酵素機能を評価したところ、
とくにSSR2は24(25)位還元反応の触媒活性を強く示し、SGAの生合成中間体であるコレステロールの生合成に関わっていると考えられました。
さらに共同研究グループは、RNA干渉法を用いてSSR2遺伝子の発現を抑制した遺伝子組換えジャガイモと、
ゲノム編集法を使ってSSR2遺伝子を破壊した遺伝子組換えジャガイモを作りました。
これらのSGA含有量を分析したところ、遺伝子組換えのないジャガイモの1割程度に低下していました。
これはSSR2がSGAの生合成に関わっていることを示しています。
この成果は、SSR2遺伝子を標的としてSGAの量を抑えたジャガイモの育種に貢献すると期待できます。
____________
▽記事引用元
URLリンク(www.riken.jp)
理化学研究所(URLリンク(www.riken.jp))2014年9月13日公開
報道発表資料
URLリンク(www.riken.jp)
2:名無しのひみつ@転載は禁止
14/09/16 23:23:51.03 rDKfrnJ4
[ L ]
○
[ ]
3:名無しのひみつ@転載は禁止
14/09/16 23:26:18.34 cTUJjn4t
ドイツ人に朗報