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無音の映像から音を取り出す技術…物体の振動からその場の音声再現に成功 2014.8.12 06:30
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音が生じたとき、人間の目には見えなくても、あらゆる物の表面にごくわずかな振動が起こる。鉢植えやスナ
ック袋の映像から周囲の会話等を再構築する技術を、MITなどの研究チームが開発した。
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音が生じたとき、人間の目には見えなくても、あらゆる物の表面にはごくわずかな振動が起こる。画像上にとら
えられたこの振動情報を使って、その場の音を再構築できるアルゴリズムが開発された。
研究チームはこのアルゴリズムを使って、防音ガラスの向こう側にあるスナック菓子の袋を約4.6mの距離から撮
影した動画から、内容がわかる話し声を取り出してみせた。
論文の筆頭著者であり、マサチューセッツ工科大学(MIT)の博士課程で学ぶエイブ・デイヴィスは、「(音が
生じるときの)振動によって、人間の肉眼には見えない、かすかな視覚信号が生じる」と説明する。
MITの研究者、マイクロソフト、およびアドビからなる研究チームは、水やアルミホイル、鉢植えの葉といった
物から、有効な音声信号を取り出すことに成功した。
このアルゴリズムがうまく機能するには、映像の周波数が音声の周波数よりも高い必要がある。そのため研究者
チームは、まずは2,000~6,000fpsで動画を撮影した。これは、市販されているハイスピードカメラが実現でき
るフレームレートよりかなり高い。
さらに研究者チームは、通常のデジタルカメラでの実験も試した。そして、60fpsで撮影した動画から、音声を
再構築することに成功した。この場合の再構築された音声も、会話に参加している複数の人々の特徴を確認でき
るほどの音質だった。
この技術は犯罪捜査や諜報活動などに利用できるだろうが、デイヴィス氏は科学的研究にも使えると考えている。
物から音を再構築することで、その物自体について知ることも可能なはずだというのだ。音への反応は物によっ
て違う。そのため研究チームは現在、さまざまな物について、物の音に対する反応から、物の素材と構造の特性
を突き止めようとしている。
この研究成果は、8月11日から14日までヴァンクーヴァーで開催される国際会議兼展示会「SIGGRAPH(シーグラ
フ)2014」で発表される。
URLリンク(s2014.siggraph.org)