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京都大学iPS細胞研究所(CiRA)所長の山中伸弥教授、高橋和利講師、独ルートヴィヒ・マクシミリアン大学
ミュンヘンの大貫茉里研究員らの研究グループは、iPS細胞の初期化や分化する際にカギとなるヒトゲノムに
組み込まれた内在性レトロウイルス「HERV(ハーブ)―H」の働きを突き止めた。ハーブ―Hの活性化が
初期化を促す。
研究グループは、分化能の低い「分化抵抗性iPS細胞」で特異的に発現しているハーブ―Hの制御配列(LTR7)
が、「山中因子」のOct3/4、Sox2、Klf4によって初期化の過程で活性化されていることを見いだした。
正常な分化能を持つiPS細胞と分化抵抗性iPS細胞をマイクロアレイ解析したところ、分化抵抗性iPS細胞は
標識となる144のマーカー遺伝子の発現が上昇し、初期化途中の細胞に似ていたという。
加えてKlf4の発現が高くなっていた。分化抵抗性iPS細胞のKlf4とLTR7の働きを抑えると、分化能は
通常のiPS細胞と同程度になった。Klf4の“異常活性”がハーブ―Hの活性を引き起こし、分化抵抗性が起こる
引き金になっているとみている。
ソース:日刊工業新聞
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