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岸辺をコンクリートで固める護岸などをした割合が高い河川や湖沼ほど、ニホンウナギの漁獲量の減少が激しいとの解析結果を、東京大大気海洋研究所などのグループが16日までにまとめた。
グループの東大大学院新領域創成科学研究科の板倉光さんは「ウナギの隠れ場所や餌が減り、生息環境が悪化したのだろう」としている。
グループは、日本の主要なウナギ漁場だった9カ所の湖沼と18河川を対象に、環境省などのデータから護岸工事などで失われた自然の岸辺の割合(護岸率)とウナギ漁獲量の推移との関連を調べた。
漁獲量は1960年以降、ほぼ全ての漁場で減少傾向にあり、護岸率が高いほど減り方が激しい傾向があった。
18河川中、護岸率が61%と最も高かった球磨川(熊本県)は漁獲量の減少率が毎年平均14.7%と最も激しく、2位(護岸率45%)の緑川(熊本県)が減少率も2位(年11.7%)。
護岸率が5%と最も低い四万十川(高知県)は、減少率が年1.3%と最低だった。
湖沼でも、護岸率が97~98%と自然の岸辺がほとんどなくなった茨城県の北浦や霞ケ浦、千葉県の手賀沼では、ウナギがほとんど取れなくなった。
護岸率が54%と比較的低い琵琶湖(滋賀県)では、漁獲量の減少の程度はわずかだった。
このうち霞ケ浦では、70年代半ばは護岸率が10%程度で漁獲量は年200トン近くあったが、護岸率が上がると漁獲は急激に減少。
護岸率が95%を超えた90年代にはウナギはほとんど取れなくなり、護岸とウナギ減少の関係が明確に示された。
グループの板倉さんは「水辺の自然環境を再生すれば、ウナギの生息を回復させることができるかもしれない」と話している。
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