14/03/24 09:16:32.39
あなたは暗闇の中でも物が見える網膜チップにいくら払うだろうか。
どんなに騒々しいレストランでも会話が聞こえる次世代型の人工内耳や、
読んだもの全てを完璧に思い出させてくれる、海馬に直接つなぐメモリチップはどうか。
声には出さないけれど頭の中ではっきりと思い浮かべたこと(例えば、「フランスの太陽王」という言葉)を
自動的にインターネットで検索し、該当するウィキペディアのページを要約して、それを脳に直接映し出す埋め込み型の接続装置はどうだろう。
SFの話だろうか。おそらくSFでなくなるのもそれほど先の話ではないだろう。
脳のインプラントは現在、数十年前の目のレーザー手術の段階にまで進んでいる。
リスクが全くないわけではなく、非常に限定された患者にのみ意味があるものだ。
しかし、脳のインプラントは今後、起きることを見せてくれているのだ。
ペースメーカーや歯の被せ物、体内埋め込み型のインスリンポンプとは違って、
神経機能代替装置―神経系に直接挿入した電子機器を使って脳の能力を回復させたり、
補完したりする機器―は私たちの世界の見方、体験の仕方を変える。
好むと好まざるとにかかわらず、神経機能代替装置は私たちの体の一部になるのである。
神経機能代替装置は目新しいものではない。
世界で30万人を超える聴覚障害者の耳に使われている人工内耳として、30年間販売されている。
米食品医薬品局(FDA)は昨年、セカンド・サイトが製造した初の人工網膜を承認した。
人工内耳も人工網膜も同じ原理に基づいている。
マイクやビデオカメラといった体の外にある機器が音声や映像を捉え、情報を処理する。
その結果を使って電極を動かし、聴神経または視神経を刺激して、耳や目から自然に発生する音や映像に近づける。
一般的に使われているもう1つの埋め込み型の装置は世界中で何千人ものパーキンソン病患者が使用している。
脳深部の正確な位置に電気パルスを送り、運動制御に関わる回路の一部を活性化するものだ。
薄い電極が頭蓋骨に開けた小さな穴から脳に挿入され、皮下に埋め込んだ電池バックにワイヤーで繋がれている。
パーキンソン病の顕著な症状である震えや硬い動きを軽減したりなくしたりする効果がある
(残念ながら、この機器で病気そのものの進行を止めることはできない)。
この「脳深部刺激療法」については、パーキンソン病以外の病気に対する有効性を調べるために現在、実験が行われている。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経外科医イツハク・フリード氏らが2012年に
医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンで発表した論文で示したように、電気刺激によってある種の記憶が改善することもある。
7人の患者がビデオゲームのような装置を使った実験に参加、仮想空間の中で車に乗客を乗せ、特定の店まで送った。
患者がゲームをしている間に脳に適切な電気刺激を送ると、仕事をより速く正確にこなすことができた。
だが、脳のインプラントは脳を直接刺激するタイプだけではない。
例えば、麻痺状態にある人の意思を理解するために脳の信号を読み取るタイプのインプラントもある。
ゆくゆくは、神経機能代替システムが利用者の希望を読み取り、インターネット検索のような動きを実行して、
その結果を脳に直接送り返すというように、脳の刺激と信号の読み取りの両方を行うようになるかもしれない。
(以下、11000文字、長文のため省略)
イメージ:人工内耳を装着した少年
URLリンク(si.wsj.net)
ソ-ス:脳インプラントの未来―暗闇でも見える網膜チップ
URLリンク(jp.wsj.com)