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つらい記憶が繰り返し突然よみがえる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状の一つ「フラッシュバック」を
減らすのに脳卒中の後遺症を改善する既存薬が役立つ可能性が高いとして、千葉大の研究チームが効果を
確かめる臨床研究を8月にも始めることが、6日分かった。同大の審査委員会が6月中旬、臨床研究に大筋で
合意した。
東日本大震災のような災害や、虐待、事故が原因で発症するPTSDでは、投薬で抑うつ症状などは改善する
場合が多いものの、フラッシュバックには十分な効果がない。チームの橋本謙二教授(神経科学)は「薬の
効果を証明した上で、世界初の正式なフラッシュバック治療薬として普及させられるよう製薬企業に
働き掛けたい」と話す。
薬は脳出血や脳梗塞後のめまいを防ぐセロクラール(一般名イフェンプロジル酒石酸塩)。国内では
30年以上前から飲み薬として使われており、重大な副作用は報告されていない。
この薬の脳の興奮を抑える作用がフラッシュバックを改善する可能性があるとして、米子医療生活協同組合
「米子診療所」(鳥取)や千葉大がここ数年、性的虐待や暴力を受けるなどしてPTSDを発症した女性患者
6人へ試験投与。40代女性は1日に2、3回だった発生頻度が8週間後までに週1~4回に減るなど、6人とも
症状が大幅に改善したという。
新しく実施する臨床研究では、PTSDと診断された13~18歳の男女計40人を2グループに分けて一方に
セロクラール、もう一方に偽薬を投与する。グループ間のフラッシュバックの頻度や不安症状などの改善度を
比較し、薬の効果を厳密に確かめる。早ければ8月にも研究を開始し、3年以内に結果をまとめる。
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