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サーベルタイガー、アゴの力は弱かった
Christine Dell'Amore
for National Geographic News
July 4, 2013
古代の肉食獣の中でも、上あごから伸びる長い犬歯が特徴的なサーベルタイガー(剣歯虎=けんしこ)は特に有名だ。
3族に分類されるサーベルタイガーは、専門家のみならず多くの人々の興味を誘ってきた。
特に獲物の倒し方については、ことさら高い関心が集まるようだが最近、バイオメカニクスに基づく新たなコンピューターモデルを駆使した研究結果が発表された。
研究グループのメンバーであるアメリカ、オハイオ大学の古生物学者ローレンス・ウィットマー氏は、長い牙による獲物の捕獲方法や外敵への攻撃方法が、
生物進化の過程でどのように発達してきたのかを解明するきっかけになるのではと期待している。今回は最新の成果について解説してもらった。
◆サーベルタイガーにはいろいろな種類がいたようですが?
はい。スミロドンなどがよく知られていますが、そのほかにもさまざまな種が存在しました。
ティラコスミルス(Thylacosmilus atrox)と呼ぶ肉食獣も似ていますが、ネコ科のサーベルタイガーとは全く異なる種で、むしろ有袋類に近かったと考えられています。
◆サーベルのような牙を持った動物はいろいろいたんですね。生息年代は?
ティラコスミルスは、およそ700万年前に現在のアルゼンチン一帯に生息していました。
一方、ネコ科のスミロドンは、ティラコスミルスより500万年後に現在の北アメリカ一帯に進出します。
サーベルタイガーのような動物はもはや存在しませんが、生物進化の歴史の中で眺めるとこれはむしろ特殊な状況です。
捕獲や攻撃手段として長い牙を持つ動物はこれまで、哺乳類の進化史の中で繰り返し出現しました。
いわゆる“反復進化”と呼ぶ現象です。この先500万年後、1000万年後、あるいは1500万年後に再び出現する可能性は十分にあります。
(>>2以降に続く)
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▽記事引用元 National Geographic July 4, 2013配信記事
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
サーベル状の牙が特徴的な古生物、スミロドン(Smiloson fatalis)の全身骨格。
アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルスのラ・ブレア・タールピット(天然アスファルトの池)で発見された化石から復元された。
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
▽関連
PLOS ONE
Comparative Biomechanical Modeling of Metatherian and Placental Saber-Tooths: A Different Kind of Bite for an Extreme Pouched Predator
URLリンク(www.plosone.org)