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熱心なサイクリストであるマンドロラ氏は「皆さんには、運動が有害になり得ると読み取ってほしくない」と述べ、「人々の
中には沢山運動する人で、しかも疾患から保護されている人もいる。一部の人は、個人的に疾患にかかりやすい人も
恐らくいるだろう。わたしは高度の集中運動の短期的なインターバルの信奉者だ」と語った。
だが、スポーツ医学には、警告サインを無視してきた歴史がある。水分の過剰摂取がマラソンランナーの命取りになる
恐れがあるという証拠が出てきてからも、専門家たちは長い間、ランナーにできるだけ多く水分を取るよう奨励し続けて
いた。この奨励は、全く防ぐことが可能だった悲劇の発生につながった。例えば、1998年のシカゴマラソンでは、43歳の
3児の母が死亡した。英スポーツ医学誌「British Journal of Sports Medicine」は2006年の記事の中で、「証拠が
最初に出てきてから、受け入れられるまでになぜ20年もかかるのか」と問いかけている。
最近、マラソンランナーの冠動脈プラークの水準が高いことを示す研究結果が出てきたことを受け、スポーツ医学は
「長距離ランニングに絶対的に近い心疾患予防効果がある」という神話を覆し始めている。前出のトムソン医師によると、
「以前は、マラソンランナーなら心疾患から守られていると考えられていた」という。同医師は、耐久スポーツの潜在的な
リスクを示す証拠が増えていることについては真摯(しんし)に受け止めているものの、患者には耐久スポーツをやめるよう
勧告していないという。同医師は「自分が元マラソンランナーであるだけに、わたしは運動量の多いスポーツに共鳴する
傾向がある」と話す。
耐久スポーツの潜在的なリスクが大々的に宣伝されると、趣味で運動する人々は、もっと長くて、もっときつい運動に
対する圧力には抵抗すべきだと主張するようになるかもしれない。ランニングやトライアスロンの世界では通常、極端に
長い距離を走破した人が称賛される。トライアスロンやマラソンに参加しているマサチューセッツ総合病院の心臓医、
アーロン・バギッシュ氏は、「長く走れば走るほど、人々から多くの注目を集められる」と話す。
耐久スポーツのリスクを最も声高に訴えている人の1人が、スポーツ心臓医で元優良トライアスロン選手のジェームズ・
オキーフ氏かもしれない。同氏は40代後半から、きつい運動をした後に心臓の動悸(どうき)を感じるようになった。
同氏は現在、この原因が容赦ない運動にあると考えている。同氏が共同執筆した論文が昨年、医学誌「Mayo
Clinic Proceedings」に掲載されたが、同氏はこの中で、「長期間の過度の耐久スポーツは、心臓と大動脈に病理
学上の構造的リモデリングを誘発する可能性がある」と述べた。
National Runners' Health Studyという10年にわたるプロジェクトの責任者として、ポール・ウィリアムズ氏は「ランニングは、
多ければ多いほど良いし、さまざまな健康上の利点をもたらす」ことを示す科学的な論文を数十本執筆してきた。しかし、
前出のトムソン氏と並んで、ウィリアムズ氏は、心臓発作を生き延びた2377人のランナーないしウォーカーを対象にした
1件の研究を終了したばかりだ。研究対象の10.4年の間に、被験者2377人のうち526人が亡くなったが、71.5%の死因は
心血管疾患だった。ウィリアムズ氏が発見したのは、心臓発作から生還後にランニングないしウォーキングをすればするほど、
心疾患で死亡する確率が低下したということだ。しかし、それにはランニングの距離が1日7.1キロ(訳注=1週間で30マイル)、
ウォーキングの距離が10.7キロを超えるまでは、という制限条件がついていた。
この論文は、研究テーマについて「過度の運動は、死亡率を大幅に増やす」と結論付けた。
Theheart.org
URLリンク(www.theheart.org)
Case proven: exercise associated hyponatraemia is due to overdrinking. So why did it take 20 years before the original evidence was accepted?
T D Noakes, D B Speedy
Br J Sports Med 2006;40:7 567-572 doi:10.1136/bjsm.2005.020354
URLリンク(bjsm.bmj.com)
Potential Adverse Cardiovascular Effects From Excessive Endurance Exercise
James H. O'Keefe, MD, Harshal R. Patil, MD, Carl J. Lavie, MD, Anthony Magalski, MD, Robert A. Vogel, MD, Peter A. McCullough, MD, MPH
Mayo Clinic Proceedings Volume 87, Issue 6 , Pages 587-595, June 2012
URLリンク(www.mayoclinicproceedings.org)
>>3あたりに続く