13/05/20 09:48:46.09
超伝導転移温度の高さと電子対の強さをつなぐ法則を発見〜 回転する電子対による超伝導の核心部分に光明 〜
【概要】広島大学大学院理学研究科の井野明洋助教と、大阪府立大学大学院工学研究科の安齋太陽助教、
東京大学大学院理学系研究科の内田慎一元教授らを中心とする研究グループは、広島大学放射光科学研究
センターの高輝度シンクロトロン放射光を用いて、世界最高水準の高分解能・角度分解光電子分光実験を行い、
超伝導転移温度と、超伝導を担う電子対の強さをつなぐ関係式があることを明らかにしました。対になっている電子の
結合の強さは、超伝導ギャップとして観測され、通常は超伝導転移温度に比例する重要な物理量です。しかし、
銅酸化物系の高温超伝導では、両者をつなぐ法則が未解明なために、見通しのきかない状況でした。今回発見
された関係式は、回転する強い電子対による超伝導機構の核心部分を捉えています。この法則は、高温超伝導に
よる無損失の電線材料や、さらなる高温超伝導物質の開発を導く強力な指針となることが期待されます。
【本研究のポイント】
1. 超伝導転移温度と、超伝導を担う電子対の強さをつなぐ関係式があることを明らかにしました。
2. 今回発見された関係式は、回転する強い電子対による超伝導機構の核心部分を捉えています。
3. 本研究成果は、高温超伝導による無損失の電線材料や、さらなる高温超伝導物質の開発を導く強力な指針と
なることが期待されます。
【背景】
超伝導は、低温で電気抵抗が完全にゼロになる現象として注目されています。高温超伝導体を利用すれば、高価な
液体ヘリウムが不要になり、安価な液体窒素(−195.8℃)で超伝導を維持できるため、無損失の電力輸送や電力
貯蔵への応用が見込まれています。昨今の電力事情から、地域や時間での電力需給の不一致を解消するための
切り札として、高温超伝導技術への期待が高まっています。
しかし、銅酸化物超伝導体の発見から四半世紀が経過したものの、高温超伝導発現のしくみは未だに明らかでは
ありません。超伝導を担う電子対の強さは、超伝導ギャップとして観測され、通常は超伝導転移温度に比例する
重要な物理量です。しかし、銅酸化物系の高温超伝導では、両者をつなぐ法則が未解明なために、見通しのきか
ない状況でした。さらに、電子対の角運動量を反映して、波の腹としてギャップが大きく開く方向と、波の節として
ギャップの閉じる方向があり、方向によって異なる振る舞いが観測されることが、混乱に拍車をかけていました。この
状況を打破するために、超伝導ギャップを、全方位を通じて高い分解能で直接観測する実験が求められていました。
【研究手法と成果】
研究グループは、広島大学放射光科学研究センターにおいて、高輝度のシンクロトロン放射光※と世界最高レベルの
高分解能・角度分解光電子分光装置を組み合わせて、高い超伝導転移温度 −182℃ (最適値) をもつビスマス系
銅酸化物高温超伝導体(Bi2Sr2CaCu2O8+d , Bi2212)について、超伝導ギャップの鮮明な全方位画像を得ることに
成功しました。正孔添加量を調節して、超伝導転移温度と超伝導ギャップの変化を調べた結果、ギャップの節での
傾きが、超伝導転移温度に比例しており、同時に、ギャップの腹の振幅と超流動密度の平方根の積に比例している
ことを、明らかにしました。そして、ギャップの腹の振幅が電子対の強さ、節での傾きが超伝導状態の安定性に対応
しており、2つの値が乖離することが、標準的な超伝導との違いを示す特徴になっていることがわかりました。今回発見
された関係式は、回転する強い電子対による超伝導機構の核心部分を捉えています。
【波及効果】
本研究で得られた法則は、超伝導現象を左右する基本量を、簡潔な形で、定量的に結びつけます。そのため、
超伝導現象やボーズ凝縮の基礎研究から、超伝導材料の応用開発におよぶ広い範囲で、今後の活用が見込まれ
ます。本研究成果は、高温超伝導による無損失の電線材料の開発や、さらなる高温超伝導物質の探索の見通しや
狙いをつける上で、強力な指針となることが期待されます。
(以下略)
広島大学お知らせ 掲載日:2013年5月15日
URLリンク(www.hiroshima-u.ac.jp)
URLリンク(www.hiroshima-u.ac.jp)
>>2あたりに続く
2:ニュース二軍+板記者募集中!@pureφ ★
13/05/20 09:48:55.77
Relation between the nodal and antinodal gap and critical temperature in superconducting Bi2212
H. Anzai, A. Ino, M. Arita, H. Namatame, M. Taniguchi, M. Ishikado, K. Fujita, S. Ishida & S. Uchida
Nature Communications 4, Article number: 1815 doi:10.1038/ncomms2805
URLリンク(www.nature.com)
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3:ニュース二軍+板記者募集中!@pureφ ★
13/05/20 09:55:14.67
このプレゼン資料はわかりやすいです。
URLリンク(www.hiroshima-u.ac.jp)
超電導は、一糸乱れぬ電子対の踊り
4:名無しのひみつ
13/05/20 10:11:52.91 Y2AuB3G5
ふむふむ
5:名無しのひみつ
13/05/20 11:28:00.05 PR59ZOBb
超伝導の実用化っていつになったら…
6:名無しのひみつ
13/05/20 11:44:36.34 Fdtx5DH5
驚いた。>>1を読んで意味が分かる。
いい記者だな。大手マスコミでもこのレベルはいないぞ。w