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地震や洪水、火山の噴火など、宇宙から地球災害を監視する、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の
陸域観測技術衛星 「だいち」 の後継機 「だいち2号」 。 レーダーを使って夜でも雲や木、葉
っぱなどを通して地表や地殻変動を観測し、 2013 年度に打ち上げられる。 寿命を超えて運用し
ていた、だいち初号機が東日本大震災から約 2 カ月後に運用を停止。 待ち望まれていた次世代
衛星で不測の事態に備える。
「光学センサーと違い、レーダーは夜間でも悪天候でも広域で繰り返し観測できる」 。 JAXA
防災利用システム室の麻生紀子主幹開発員は、だいち 2 による効用をこう説明する。 初号機は
レーダーと光学センサーの 2 種類を載せていたが、 2 号機はコストと重量を削減し、開発期間
短縮のため単機能に特化した。 特徴的なのは L 帯周波数のレーダー(1.2ギガヘルツ) を搭載し
ていることだ。
初号機は岩手県や福島県など被災地の津波などによる被害状況をつぶさに撮影した。 そのレーダ
ー機能を大幅に向上させた 「だいち2 号」 。 地球の低軌道を南北に周回し、目的に応じて三つ
のモードを自由に切り替えて使う。撮影には衛星から電波が放たれ、地上からの反射波をキャッチ
して収集したデータを JAXA の地上受信局などへ送信。 このデータをもとに地図の作製や衛星画像
を作り、災害や地域観測に役立てる。
例えば、スポット的な観測分解能は 1-3 メートルで初号機に比べ 3-10 倍向上。 広域観測では陸
域を 490 キロメートル幅でとらえる。 観測幅も従来に比べ 200 キロメートル程度広がり、分解
能も 40% 向上し 60 メートルとなった。 JAXA だいち 2 号責任者の大沢右二上席開発員は 「初
号機は観測に最長 3 日かかったが、 2 号機は 12 時間ごとに観測できる」 とスピードアップを
図る。
ただ、レーダーでとらえた画像は光学センサーによる画像とは異なり、素人がみても分かりづらい。
地震や災害の専門家らに素早く送られたデータを直ちに解析し、被災地で活用してもらうことが必要だ。
その際に通信インフラが途絶すると、衛星データ利用も遅れる。 このため、 JAXA は多くの民間企業の
受信局と協力。 一方で地球規模で迅速に観測するため、海外のレーダー衛星との協力体制も構築している
。 さらにアジア太平洋地域では自然災害の監視を目的とした国際協力プロジェクト 「センチネルアジア」
も 06 年に発足させ、 20 カ国・ 51 機関などが参加して災害関連情報をインターネット上で共有してい
る。東海、東南海、南海の三つの想定震源域で、大地震が連動する可能性も指摘される地震列島・日本 。
東日本大震災を教訓に、こうした想定巨大地震に対する衛星を生かした震災対策へのシナリオを描けるか
― 。 “ 宇宙の目 ” による災害監視体制に関心が高まっている。
日刊工業新聞 掲載日 2013年3月25日
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