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心理学では、人には「自分は平均より優れている」という思い込み(優越の錯覚)があること
が知られているが、この錯覚が脳内の異なる部位の連携の強弱や、神経伝達物質に影響され
ることが25日までに、放射線医学総合研究所などの研究で分かった。抑うつ状態ではこの錯
覚が弱いことも知られており、成果は抑うつ症状の診断などへの応用が期待できるという。
論文は近く、米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
放医研分子イメージング研究センターの山田真希子主任研究員らは、男性被験者24人に対し、
「正直」「怒りっぽい」「温厚」などの単語を示し、自分が平均と比べてどうかを評価させる
実験を実施。多くの人が平均より2割程度「優れている」と自己評価していた。
その上で、機能的磁気共鳴画像診断装置(fMRI)と陽電子放射断層撮影(PET)を使い、脳内の局
部的な働きと神経伝達物質が「錯覚」に与える影響を調べた。
その結果、脳の深部(大脳基底核)にある線条体という部位で、神経伝達物質のドーパミンが多
いと、線条体と、認知をつかさどる前頭葉の「前部帯状回」と呼ばれる部位の連携が低下。両
部位の連携が弱いほど、「錯覚」の程度が強いことが分かった。
時事ドットコム 2013/02/26-05:36
URLリンク(www.jiji.com)
放医研 プレスリリース
URLリンク(www.nirs.go.jp)
優越の錯覚の脳内システム概念図
URLリンク(www.nirs.go.jp)
PNAS/ IF 9.681(2011)
「Superiority illusion arises from resting-state brain networks modulated by dopamine」(英文)
URLリンク(www.pnas.org)