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1970年代以降、地球環境の監視を目的とするいくつもの衛星がはるか上空を周回しながら、
収集データを気候の研究者や気象予報士に送信している。しかし、米政府監査院(GAO)がこ
のほどまとめたレポートによると、専門家の拠り所となる衛星監視ネットワークに、ある
問題が生じているという。
「アメリカが打ち上げた衛星の老朽化が進んでいる。旧型の衛星が故障しない内に、次世代
機の用意が間に合うかどうか目処が立っていない」と、ジョージア大学アセンズ校の教授で
、アメリカ気象学会の会長も務めるJ・マーシャル・シェパード(J. Marshall Shepherd)氏は話す。
次世代機「JPSS(Joint Polar Satellite System)」の打ち上げプロジェクトは、予算の肥大
化や管理上の課題、そして政治的な駆け引きといった問題を抱えている。こうした現況を受
けGAOは、政府による緊急課題をまとめた「ハイリスク・リスト(High Risk List)」に、気象
データの管理を加えた。
GAOのレポートは、「2014年初頭から最大で53カ月間(4年5カ月)、環境監視衛星のデータに欠
落期間が生じる可能性があり、ハリケーンや高潮、洪水といった異常気象の観測を含め、今後
の気象予報、警報の精度と即時性が低下する危険がある」とまとめている。
「欠落が生じる期間は少なく見積もっても17カ月間に及ぶが、それだけでも気象予測に甚大な
悪影響が生じ、生命と財産がリスクにさらされることとなる」とシェパード氏は警告する。
例えば、大規模なハリケーンの経路予測に定評があるヨーロッパ式の数式モデルを、「サンディ」
の経路予測に使用したとする。もし極軌道衛星からのデータがなければ、サンディは外海に留まる
という予測結果が出てしまい、ニューヨークやニュージャージーへの上陸は予測できなかったこ
とになる。
また、大気研究大学連合(UCAR)の会長の上級顧問を務めるスコット・レイダー(Scott Rayder)氏
によれば、データの欠落が生じると、異常気象だけでなく基本的な調査活動にも悪影響が出ると
いう。「長期的な気象状況の積み重ねが年間を通した気候データとなる。大気全体の傾向を把握
するには、これら衛星のセンサーは欠かせない」。
◆問題点
シェパード氏によると、アメリカの気象予報士が数式モデルに組み込むデータは、米国海洋大気
庁(NOAA)とNASAが管理する静止衛星と極軌道衛星の2つに基づいているという。
衛星に搭載されてい各種センサーが、大気湿度や海面温度、大気中のオゾン濃度などのデータを
収集する。科学者はこれらのデータを参照し、降水量やオゾン層の状態を分析している。現在最
も問題視されているのは、極軌道衛星の方である。
「上空833キロを90分周期で極方向に周回しているNOAAの現行機、極軌道環境衛生(POES:Polar
Operational Environmental Satellites)の寿命が近づいている」とシェパード氏は話す。
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