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神戸大医学部付属病院(神戸市中央区)は、内視鏡手術用ロボット「ダビンチ」を使った高度な
手術を遠く離れた場所から支援するシステムを構築した。
手術中の映像と音声を即時に受信し、ベテラン医師が執刀医に音声で助言する。若手医師への指
導・教育の機会が増えるほか、過疎地でもダビンチを導入する病院ならより安全な治療を受ける
ことも可能となり、活用が期待されている。
「ダビンチ」は、患者の体に小さな穴を開け、カメラ付きの手術器具を挿入。患者から離れた場所
から三次元映像を見ながら機械を操作する。神大病院では2010年から導入。国内の医療機関で
使われるのは約70機で、扱いに慣れた医師は少なく、医師の技術向上と手術の安全性確保が課題
だった。
そこで、神大病院の藤沢正人教授(52)が、複数の病院をネットワーク回線で結び、各病院で執
刀に当たる若手医師を教育するシステムを作ることを考案。神大病院の医局員だった倉橋俊史医師
(42)が派遣されていた聖隷三方原病院(浜松市北区)がダビンチを導入することになったのを
きっかけに、両病院を専用回線で結び、手術支援に取り組むことにした。神戸市のシステム開発会
社と連携し、時差がわずか0・2秒の光回線を使って、三方原病院から手術の音声と映像を配信し
、神大病院から助言を音声で届ける仕組みを完成させた。
今年度から、ダビンチによる前立腺摘出手術に公的医療保険が適用されるようになり、県内でも、
将来的にダビンチが数台配置される見通しで、ニーズの多い前立腺がん患者の治療の充実に期待が
集まる。
今後、遠方から配信された映像に、タッチペンで患部の位置やその対処法などを指し示した画像を
送り返す技術開発も進める。
藤沢教授は「IT時代の新たな医療システムとして、今後は録画した映像を見返して討論するなど
して、熟練した医師を育てたい」と話している。倉橋医師も「手術をする医師はどうしても視野が
狭くなる。不測の事態に備えた助言は安心できる」と話した。
2013年1月21日 読売新聞
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