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縄文期土坑に編み物敷く
胎内市八幡にある縄文時代晩期の野地(やち)遺跡で、底に編み物を敷いてある土坑が見つかった。
編み物や土木の高度な技術が約3000年前にあったことを示す貴重な発見。
県は、保存処理をして新潟市秋葉区の県埋蔵文化財センターで一般公開している。
同遺跡は日本海東北自動車道建設の際に見つかり、2010年の調査で編み物を敷いた土坑が出土した。
土坑は縦1・2メートル、横0・8メートルの楕円(だえん)形で、深さは推定約0・5メートル。
底には、ササ類の幹を編んだ縦1・25メートル、横1メートルのゴザのような敷物と、
マタタビのつるを編んだカゴのような製品の2種類の編み物があった。敷物の編み方は現在も用いられる
「網代編み」で、縁はほつれないように樹皮でまとめてあり、当時の技術の高さがうかがえるという。
首都大学東京の山田昌久教授(考古学)の分析では、土坑は地下水を利用するためのもので、
食用のドングリをつけて虫の卵を殺したり、繊維を柔らかくして縄を作ったりしたと考えられるという。
編み物は、水が泥で汚れたり穴が崩れたりするのを防ぐために敷いたとみられる。山田教授は
「縄文人が穴を掘って伏流水を利用する土木技術を持っていたことを示す貴重な発見だ」と指摘している。
編み物を敷いた土坑は全国でも少なく、敷物の大きさは国内最大級という。保存状態が非常に良く、
地下水に浸っていたことで腐食を免れたとみられる。
同センターでは6月から劣化を防ぐ合成樹脂を塗って保存処理を施し、処理が終わったため公開を始めた。
センターを管理する県埋蔵文化財調査事業団の田海義正・調査課長代理は「現代に続く巧みな編み方など、
高い技術を間近で見てほしい」と話している。
(2012年12月22日 読売新聞)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
編み物を敷いた縄文時代の土坑跡(新潟市の県埋蔵文化財センターで)
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