【脳神経】自閉症などの発達障害は母体の化学物質摂取による可能性がある/東大at SCIENCEPLUS
【脳神経】自閉症などの発達障害は母体の化学物質摂取による可能性がある/東大 - 暇つぶし2ch2:一般人φ ★
12/12/17 00:35:22.25
>>1続き)

こうした行動柔軟性の低下、不要な反復行動は、高次脳機能の中でも「実行機能」という、目的達成のための
適切な手段を選び自己をコントロールして適切な行動をとる脳機能システムが破綻していることに起因すると
考えられるという。ちなみに、この実行機能の異常は、さまざまな精神疾患においても観察されるとのことである。

さらに、マウス社会性行動の指標も新たに開発。今回の行動試験では、試験装置1台あたり12匹のマウスを集団
生活させ、行動パターン解析を実施した。1日のうち数分間だけ大勢で水飲み場を奪い合う社会的競争状況を
作ったところ、ダイオキシン曝露マウスは、この社会的競争状況においてのみ活動レベルが低下することが
確認された。このような症状は、報酬に対する欲求よりも、他者との接触に伴うストレスを避けているためと
考えることができ、自閉症スペクトラム障害や不安障害を有する人における他者との接触を避ける傾向と
似ている可能性があると研究チームでは指摘する。


社会的競争状況での活動レベル低下
URLリンク(news.mynavi.jp)

次に、神経活動の指標であるArcの脳における発現の分布を組織標本中の特定のタンパク質など生体高分子などを
検出する方法である「免疫組織化学手法」によって調査したところ、ダイオキシンを摂取した母親から生まれ、
行動異常が観察されたマウスでは、Arcの量は、前頭前皮質において減少し扁桃体では増加していることが
確認された。これにより、これらのマウスでは前頭前皮質の神経活動の低下と、扁桃体の神経活動の亢進が
あることが示されたこととなった。

前頭前皮質は、行動柔軟性や社会性行動といった認知機能をコントロールし、また扁桃体は恐怖や不安といった
情動反応を司る脳領域として知られており、これら2領域は神経線維により密接に連絡している。ヒトの臨床的
研究でも、強迫性障害や不安障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症患者などで、"前頭前皮質と
扁桃体の機能的協調性の破たん"が報告されており、自閉症スペクトラム障害を有する人においても前頭前皮質の
活動不全と扁桃体の活動亢進があることが近年報告されている。

なお研究チームでは今回の研究結果から、マウスを用いた実験研究ではあるが、これまで毒性影響が確認されて
いた曝露量よりもはるかに低い量での影響があること、ならびに科学的根拠に乏しかった脳と行動への影響に
関する知見が得られたことは、ダイオキシンはじめ環境化学物質の健康リスク評価や対策において、国際的に
役立つ成果だと説明する。

また、化学物質と子どもの「こころの健康」の問題との関連性について、実験的証拠が提示されたことは、
学術的意義が高いと同時に、地道な研究活動の積み重ねが社会貢献に向かって大きく一歩を踏み出したという点で、
大きな成果だと言えるとしており、今後、化学物質と自閉症症状など発達障害の発症などの関連性に関する
科学的議論が活性化することが期待されるとしている。

(以上本文引用ここまで)


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