12/12/05 21:22:48.04
九州大学(九大)は、マンネンタケ科のキノコであり、古くから和漢薬や民間薬に用いられ、
数々の薬効が伝承されている「霊芝(Ganoderma lingzhi)」(画像1)に含まれている薬理活性成分で
ラノスタン型トリテルペノイド類の「Ganoderic acid DM」(画像2)の標的生体分子がタンパク質
「チューブリン」であり、その重合を促進することを見出したと発表した。
成果は、九大大学院 農学研究院の清水邦義助教らの研究グループによるもの。
研究の詳細な内容は、11月30日付けで英国のオンラインジャーナル「Scientific Reports」に掲載された。
※画像1。霊芝
URLリンク(news.mynavi.jp)
※画像2。Ganoderic acid DMの化学構造
URLリンク(news.mynavi.jp)
霊芝の煎薬(エキス)には、数々の薬効が伝承されており、特に、がんに効くキノコとして
珍重されてきた過去がある。中国の後漢の時代にとりまとめられた「神農本草経」に命を養う
延命の霊薬として記載されて以来、アジア各国ではさまざまな目的で薬用に用いられてきた。
その効能を裏付けようと、世界中で多くの基礎研究が実施されており、霊芝の薬理活性に関する研究報告は、
近年、増大している。その薬理活性は、含有される「β-グルカン」に代表される多糖類と、
特徴的な構造を有する「ラノスタン型トリテルペノイド」類に由来するという。
前者に関しては、免疫を高める効果について多岐にわたって研究報告されているが、
後者に関しては、なぜ肝臓保護、解毒、抗酸化、抗菌、血糖降下、抗HIVとヘルペスウイルス、
腫瘍細胞抑制などのさまざまな薬理活性を示すのか不明だった。
清水助教らは、霊芝の前立腺肥大症や骨粗鬆症に関する改善効果を見出し、その活性成分の1つとして、
Ganoderic acid DMを本キノコから単離。同化合物は、その後、ガン細胞の増殖の抑制効果など、
さまざまな薬理活性が報告されたのである。
しかしその作用機構については、不明な点が多く残されていた。
そこで、今回の研究ではGanoderic acid DMに着目し、その作用機構解明を目指して
標的タンパク質の同定が試みられた次第だ。
清水助教らは、作用機構解明の重要な手がかりは、Ganoderic acid DMの標的分子にあると考えた。
そのために、Ganoderic acid DMの誘導体を化学的に調製し、それらの前立腺ガン細胞に対する増殖抑制効果を比較。
その結果、側鎖のカルボキシル基を有する部分構造は、活性発現には、重要ではないことが明らかとなり、
その知見を用いて、標的タンパク質探索のためのプローブを調製し(画像3)、
前立腺ガン細胞由来のタンパク質との相互作用が検討された。
※画像3。標的タンパク質探索プローブ
URLリンク(news.mynavi.jp)
(>>2以降に続きます)[1/2]
ソース:マイナビニュース(2012/12/05)
URLリンク(news.mynavi.jp)
関連リンク:Scientific Reportsに掲載された論文要旨(英文)
URLリンク(www.nature.com)