12/12/02 22:38:42.50
科学技術振興機構(JST)と慶應義塾大学(慶応大)は11月29日、針状に加工した導電性のダイヤモンドを電極
(ダイヤモンド電極)として用いることで、がんのバイオマーカーの1つである「還元型グルタチオン(GSH)」の
濃度をマウスの生体内で直接測定することに成功したと共同で発表した。
成果は、同大 理工学部の栄長泰明教授、同・医学部の佐谷秀行教授らの共同研究グループによるもの。研究は
JST課題達成型基礎研究の一環として行われ、その詳細な内容は、英国時間11月29日付けで英国オンライン科学誌
「Scientific Reports」に掲載された。
放射線や化学療法といった従来のがん治療の多くは、がん細胞内に活性酸素種を発生させることでがん細胞を
死滅させ、治療効果をもたらすと考えられている。
GSHは、細胞傷害性のある活性酸素種を除去して細胞を保護する働きを持つ抗酸化物質だ。これまでの研究から、
がん細胞は正常組織と比較して高濃度のGSHを持ち、がん治療によって発生した活性酸素種を速やかに除去して
しまうため、がん治療に対して抵抗性を示すことがわかってきた。
このことから、がん組織のGSH濃度変化を測定できる方法を開発できれば、放射線や化学療法などの治療の効果
判定に役立てることができると考えられている。
しかし、従来の動物実験で行われてきたGSHの測定では、生体から組織を採取した後に前処理を行うため、
測定までに時間がかかるという問題があった。さらに、専用の光学測定機器を使用する必要があるため、
より簡便にGSHの変化をモニターできる方法の実現が期待されている状況だ。
一方、これまでに研究グループは、ホウ素を含んだダイヤモンドを化学電極として用いた時に優れた特性を
持つことを発見しており、次世代の電気化学センサとして期待できることを報告していた。なお本来、
ダイヤモンドは絶縁体だが、不純物としてホウ素を添加することで導電性を付与することができ、それを応用
して電極としたものがダイヤモンド電極だ。
電極材料として従来利用されている炭素電極、白金電極などに比較して、水溶液中での電位窓が広い、
バックグラウンド電流が小さいなどの優れた電気化学特性を持つため、センサ、水処理を初めとした応用が
期待されているほか、耐久性など、ダイヤモンド本来の物理化学特性も兼ね備えるため、次世代の新しい電極
材料としても期待されている。
そこで今回の研究では、マイクロサイズに加工したダイヤモンド電極を作製し(画像1)、これを用いて生体内で
直接GSH濃度を測定する方法の確立が目標とされたのである。
画像1。ダイヤモンドマイクロ電極。電極の先端の直径は、約20μm
URLリンク(news.mynavi.jp)
(本文>>2以降に続く)
▽記事引用元 マイナビニュース(2012/11/30)
URLリンク(news.mynavi.jp)
▽慶應義塾大学プレスリリース
URLリンク(www.keio.ac.jp)
▽Scientific Reports
「In vivo assessment of cancerous tumors using boron doped diamond microelectrode」
URLリンク(www.nature.com)